2007年3月20日火曜日

学会に行こう!

先週は富山大学で開催された
電気学会全国大会に参加してきた。

学会で多くの発表を聴くことによって
大いに刺激を受けてきた。
そして多くの人に会い,
またインスパイアされた。


そして,最新の成果,研究動向というものは,
学会の発表の中にばかりあるものではないと
今回も強く思った。

もちろん,発表においては
最新の研究成果が紹介され,
それに対して熱い議論が交わされる。
それが学会の醍醐味である。

しかし,熱い議論が交わされるのは,
発表のセッションばかりではない。
セッションが終わったあとの食事の場で,
いやもっと言えば,夜の酒席の場でこそ,
最も新しい研究成果について議論がされる。

「最近,こんなことを考えているんだよ」

「いや,最近こんな失敗しちゃってさ」

「今度こういうこと考えているんだけど,
協力してもらえる?」

こんな話が聞けるのはそうした場においてなのである。

別に酒の力で口があまくなってしまうからというわけではない。
学会で発表する成果というのは,
すでに一段落しているものである。
もちろん研究が走っている途中経過の報告もあるが,
ひとつのまとまりがついたものが成果として報告されるのだ。

一方,本当に現在注力しているものについては,学会では発表されない。
いや,成果がまとまっていないから発表できないのだ。
だからこそ,その内容については
セッションの発表の場ではなく,
食事やお酒の場で話をすることになる。
また,それは研究としてまとまっているとは限らないから,
当然議論も盛り上がる。
そして,大いに刺激を受け,俄然競争心も湧いてくる。
私も今回,大いにやる気になって帰ってきた。

研究者・技術者たちの交流
これが学会に参加する大きな意義のひとつではないか。
ひとつの町に1500人以上もの研究者が集まって,
数日間にわたり最先端の話題について議論しあう。
それは,ほんの十数分程度の発表の時間の中で終わるものではない。
その後の時間も費やして,議論はずっと続けられるのだ。

学生のみなさんは,学会と聞くと尻込みをする人が多い。
発表するとなると,その準備の苦労が思いやられるからだろう。
しかし学会に参加することは,
そんな苦労がすぐに報われるほど効用がある。
発表される内容が一部しか理解できなくても,
この業界で今どんな話題がホットなのか,
どんな人たちがこの話題に首を突っ込んでいるのか,
一体今はなにが問題なのか,
そんなことが一日も参加すればおおよそつかめてくる。

学会に参加できるチャンスがあるならば
ぜひ参加してみよう。
そして,その業界の最先端に触れてみよう。
なにか得るものがあるかもしれない。

一流のものに触れることによって,
自分の境界線を拡大させていく効果を
エッジエフェクトと呼ぶ。
学会参加は,まさにその好機会なのである。

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