2007年7月10日火曜日

面接試験心得5: 結論先行主義で答える

さて,プレゼンにおいては,学会発表などの
発表自体はそれほど難しくない。
なぜなら,練習すればするほど上達するからである。
立ち位置,間の取り方,ポインタの使い方など,
3回も練習すれば自分のものにできるだろう。
(いってみれば演劇の舞台稽古である)

しかし,練習だけではうまくいきにくいのが,
質疑応答である。
面接試験においては,これが一大事となってくる。
これだって,まぁ練習がものをいうのだけれど,
想定外の質問が来ることだってある。
それに対して気の利いた答えを,
余裕をもって答えることが
要求されるのである。

*ちなみに私が以前所属していた研究所では,
昇進試験の面接のために,想定質問を100問
用意して練習するとの話を聞いたことがある。
そこまでやってもうまくいかないこともありうるのだから,
本当に大変なことである。

回答そのものは,自分の考えを述べるのだから,
内容についてはここでは触れない。
しかし,その答え方は重要である。

面接試験や学会発表においては,
質疑応答の時間は限られている。
質問者は,発表者にダラダラと
答えられることが堪えられないのだ。
時間だけが浪費されていく。

短時間で的確に相手の質問に
過不足なく答えることが大切
なのである。
そこで,テクニックとしては,

結論先行主義で答える

ということである。
ある質問に対して,「Aである」という意見を述べる場合に,

「~は***で,~は***であり,
そのため,***であるので,
私はAだと思います:

などと答えられると,質問者はイライラとし始める。
結論までの時間が長いのは許されないのだ。
したがって,

「私はAだと思います。
なぜなら,それは,~は***で,~であるからです。」

くらいで答えられるのが良い。
私も,以前所属していた研究所では,

回答は一文で。そしてその理由や付随説明を3行くらいで述べろ

と教わった。
新聞も,TVのニュース原稿も,結論先行主義である。
リーダと呼ばれる概要を簡潔に述べる部分があって,
そのあとに詳細な説明が付随していく。

聴衆者・読者は結論がわからず読み進めていくのは,
まるで行く先を知らされずに導かれていくようで,
不安になってしまうのだ。
だから,はじめに行く先,すなわち結論を提示する。
それから説明を付け加えていくのが良い。

レポートにおいても結論先行主義は守られるべきである。
特に段落やセクションのはじめの文章は重要で,
読者の行き先を提示する必要がある。
結論先行主義は応用先が広いのだ。

しかし,それが好ましくない場合もある。
たとえば,クライアントへの提案。
はじめから結論を示してしまうと,
プレゼンが進めば進むほど,盛り上がりが少なく,
結果として印象の悪いものとなってしまう。
(プレゼンは印象良くメッセージを伝えることが
目的であることを思い出そう)
小説でも最初に結末がわかっていては面白くない。
こうした場合は,盛り上がりを配分させて,
劇的なクライマックス(結論)に至るのが良い。

結論先行主義は,あくまでも
技術・研究・仕事関係の文章や,
質疑応答での話である。

だが,結論先行主義でパキパキと答える自分を
想像してみよう。
たぶん,ずいぶんと賢そうに思えるはずである。
質問者へのアイコンタクトと礼儀を忘れず,
結論先行主義で対応することができたら,
きっと成功は間違いない。
(もちろん,その前に答える内容だけれど)

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