2007年10月16日火曜日

血液型性格判断を信じるのか?

私が嫌いな話題のひとつに血液型性格判断がある.

「君って何型?」

「A型」

「やっぱりね.几帳面だものなぁ」

というのが典型的な会話.
どうしてそうなのか,全く理解できない.

これが理工系の学生でも平気で話題に取り上げるのだから呆れてしまう.
彼らはどこに根拠を持っているのだろうか?
みんながいうから,マスコミが取り上げるから,
それを信じるというのだろうか?
全く科学的ではない.

韓国でも流行っているし...などという人もいる.
それは日本から伝わったものである.
中国においても流行っているのだという.
一方,欧米ではほとんどそんな話は通用しない.

血液型と性格の相関について述べられた論文については,
その科学性が否定されており,現在ではそれを取り上げることはない.
しかし,そうした話だけが流布され残っているのである.
それを科学的に証明した論文があるならば私に教えてほしい.

そもそも血液型で性格を4つにしか分けないということを
不思議に思わないのだろうか?
欧米でのB型,AB型の人が占める割合を知っているのだろうか?
本当に少ないのである.
あるいは,ネイティブアメリカンなどはほとんどがO型のはずである.
以前,このネイティブアメリカンはO型ばかりという話をしたら,

「あぁ,だからみんな大らかな性格なんだ」

などと真面目に感想を述べるのだから本当に呆れる.

冗談でみんな楽しんでいるのだからいいじゃないか,
などという人がいるが,
もしも会社で血液型で適性を判断され,
就職や配属に影響を与えているとしたら,
どうだろう.
ここまでいくと,明らかに人権侵害の疑いがある.

相関がないことも証明できていないではないか,
(否定もできていない)
などという話をする人もいるが,
いったいどういう料簡なのだろうと思う.

では実際にデータをとってみたらどうか,
という人もいるだろう.
しかし,これが厄介で,日本で調査をやれば,
たぶん相関があるという結果を得ることになるだろう.
たとえば,A型だから私は几帳面だ.
B型だからマイペース.
AB型だから個性的.
そんなふうに自分を判断してしまっている人が多いのだ.
それほど私たちの意識には血液型と性格の相関が
信じ込まされているのだ.

実際に調査をするならば,血液型性格判断の説が
ほとんど知られていない国で行うべきである.
あるいは,血液型の割合が日本と異なる国で
それぞれの性格の人が人口に占める割合などを
調査してみるなどという手法が必要である.
まぁ,すでにそれに準じた調査が行われ,
そこには相関がないと現在では
結論付けられているのだけれど.

とにかく,あまりに無批判にこうした説を
学生は受け入れすぎるのではないかと,
それを私は危惧している.
理工系の学生でさえこんな感じなのだから,
一般社会にいたっては...

そう思うとこの社会はかなり危ういことに気づく.

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