2008年2月1日金曜日

試験問題の作り方

来週から試験期間が始まる.
学生の皆さんは,試験勉強に
いそしんでいることと思います.
良い成果を期待します.

さて,学生の皆さんが試験勉強をしている,
ということは,私たち教員は試験問題作成に
いそしんでいる,ということであるわけで,
それはそれで,私たちのいろいろと忙しいのです.

私の場合,今回はとりあえず3つの講義の
試験問題を作成しなければならない.
(そのうち,ひとつは半分だけでよいのだけれど)

採点でいえば,その他にもあと3つの講義について
行わなければならない(これはレポート課題ということ).

この年末の忙しい時期に,かなり大変なのである.

学生の皆さんは,試験問題を作る方は,
ずいぶん気が楽だろうなどと思っているかもしれないが,
その実,いろいろと気苦労が多く,大変である.

まず,平均点がそこそこの点数にならないと,
単位が取れない学生が多数生まれてしまうことになる.
私が赴任してきた最初の年は,その辺りの塩加減がわからず,
ある講義では,受講者の40%しか合格点に至らなかった.

2年目,3年目と,ようやく受講生の学力レベルも理解でき,
平均点が向上してくることになった.
問題も多少はやさしくなったのかもしれないが,
講義内容にメリハリをつけるなどの工夫をした効果もあったと
思っている.

2年目から私が心がけていることは,
まず,講義が開講する前に,期末にどのような試験問題を出すかを
構想する,ということである.
すなわち,この講義で不可欠な知識とは何か,をまず考え,
その知識の修得の程度を問う問題を考えてみるのだ.

次に,その問題を解くために必要な知識を
どのように講義するかを考えていく.
それは,あくまでもそれは不可欠な知識についてであるから,
講義内容にはもっと広がりをもたせるのだけれど...
(何度も言っているように講義にはストーリーが大切である)

試験問題が先で講義は後なのである.
講義をしているときには,試験問題が既に構想されているのである.
どうです,驚いたでしょう.(って,全然驚かない?)

実はこうした考え方は,プロジェクト遂行の基本的な考え方である.
まず,ゴールである目的を決める.
次に,目的が満たされた状態を想像して,
それに不可欠な条件をリストアップする.
その条件をクリアするために必要なアクションを決める.

別に普通のことなのである.
試験問題と講義の関係も一緒.
ただどれだけそれが成功をおさめるかは,
学生諸君の努力にも大きく依存する.

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