2008年2月28日木曜日

わかりやすく伝える努力

今日は,修士(博士前期課程)の研究発表・試問会があった.
朝9:30から始まって,終了するのは夕方4:30.
全部で23名の発表を聴いた.
みなさんご苦労様でした.
研究に対する努力の大きさをうかがうことができました.

しかし,今日の発表を聴いていて思ったのは,
まだまだ人に伝えるという努力が足りないな,
ということである.

本日発表を聴いていたのは,もちろん
全員教育スタッフで,電気の専門家ではあるけれど,
修士の研究ともなると,みなその分野の最先端であるため,
すべてを理解できるというわけではない.
しかし,そうした人たちにも,
ある程度研究のストーリーと成果を理解してもらう,
ということが重要なのである.

決して専門用語を連発し,
独りよがりの発表となってはいけない.
研究で苦労したことを伝えたいと思うのは良くわかるけれど,
それでは,みなの理解を得られない.

わかりやすく,ストーリーを組み立てて,
できるだけ専門用語の多用に終始せず,
研究の意義と成果を説明しなければならない.

本日の発表者は,そこまでちゃんと考えていただろうか.
残念ながら,そのようには見えなかった.
もっと努力・工夫をすべきである.

社会に出てからこそ,そうした技術は必要となる.
クライアントに自分たちの専門分野を伝える.
あるいは一般の人たちにわかりやすく伝える.
伝わらなければ結局コミュニケーションは失敗なのである.
そのことをよくよく考えてみなければならない.

理工系の人気がない原因のひとつには,
私たちがこうした努力を怠ってきたことがあるだろう.
もっともっと社会に対して説明責任を果たしていく必要がある.
技術が専門化し,ブラックボックス化しているいまだからこそ,
よりわかりやすく説明することがさらに求められている.

発表者の皆さんは,本日を始まりとして,
さらに精進されることを望みます.

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