2008年4月21日月曜日

ついに表舞台に立つパワーエレクトロニクス

先週の土曜日は,パワーエレクトロニクス学会の
定例研究会が大阪 梅田で開催された.

本年度第1回目ということで,
研究会の前には総会が開かれ,
後には懇親会が開かれた.

このパワーエレクトロニクス学会は,
研究発表のあとの質疑応答が充実しているのが
特徴である.
一つの発表に対して,一人の指定討論者というのが
割り当てられていて,指定討論者はあらかじめ
論文を読んで,当日の議論に備えるのである.

今回は,私が指定討論者のひとりだった.
貴重な発表に対し,
ろくでもない質問をしては失礼なので,
それなりに論文を読み込む.
それでも時間の制約もあって,ある程度までしか
読み込めないのだけれど,こうした機会は
非常に勉強になる.
当日の質問でも,いろいろとためになる回答を
発表者の方からいただいた.

最近,質疑応答が不活発な学会のセッションが多々見られる.
もしも質疑応答がなければ,学会の意味はどうなるのだろう.
研究内容は,Web上にスライドをUPすればよいだけに
なってしまうのではないだろうか.
やはり,学会はFace to Faceで質疑応答を行うことに
意義がある.
質疑応答は学会のキモである.
パワーエレクトロニクス学会は非常に所帯は小さいのだけれど,
この点は大いに誇るべきものがあると思う.

懇親会でも,あちらこちらでわいわいと,
硬軟合わせた議論が聞かれて大変楽しかった.
パワエレ業界の活力を感じる.

研究会の首都大学東京の清水先生の特別講演や,
懇親会の日吉会長のお話にもあったのだけれど,
これからの将来,成長を続け,
かつ省エネ・CO2削減をしていく社会のためには,
パワエレ技術は,全くもって不可欠なものである.

今朝のニュースで報道されていたのだけれど,
白熱電球の生産を中止する,あるいは中止を検討している
大手照明メーカが増えているらしい.
代替は,電球型の蛍光灯である.
消費電力を比較すれば白熱灯に対して蛍光灯は
1/5程度になるといわれている.
また寿命もずっと長くなる.
一般家庭においても照明で消費される電力は15%程度だから,
全国で見れば,ずいぶんと大きな省エネにつながるのだろう.

(白熱電球は白熱電球でよいところもいっぱいあって,
私も大好きなのだけれど,大量生産はする必要がないという
ことなのだろう.いつか真空管のように
マニア向けだけに流通するものになるのかもしれない.
ところで電球型の蛍光灯もやはりバルブと呼ぶのだろうか?)

このニュースを見るだけでも,パワエレが果たす役割は
今後ますます大きくなっていくことが予想される.
自動車,家電,電車,新エネルギー発電...
市場は山ほどある.
これまでは縁の下の力持ちであったパワエレが,
世の中の表舞台に立つ時代がついにやってきたのだと感じる.

パワーエレクトロニクス学会において感じた
派手ではないけれど,深く大きな活力は,
こうしたところに起因しているのだろうと思う.
誰もがパワエレのことを知っている時代,
そんな時代がやってくる.

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