2008年8月4日月曜日

ストロベリー・シェイク

文科省は,これから日本の大学の
留学生受入れを積極的に進める方針を
示している.

これにともない,英語教育等にも
もっと力を入れることになるらしい.
それはそれで結構なことであると思う.
私も英語を自由自在に話すことができたら,
どんなに素敵なことだろうと思う.

英語の小説を英辞書なくして
楽しむことができたら!

字幕なくして,
映画を楽しむことができたら!

国際学会のパーティーなどで
もっと気の利いたことを
言うことができたら!

などと,ワクワクすることは
山ほどある.
これからは英語がますます重要になることは
間違いないのだから,
学生のみなさんも,ここはひとつ腰を据えて,
みずからの英語能力の上達に
注力してみてはいかがだろうか.

とはいえ,「腰を据える」などというと,
またしかめっ面で単語帳をにらむ,などという
状況を想像して,それだけで心理的な
バリアが高くなってしまう.
もっと気楽に英語を勉強すれば
よいのではないか,と私は思う.
というか,そう自分に言い聞かせている.

私が初めて海外旅行をしたのは,
博士課程2年の夏である.
2つの国際学会に参加するために,
カナダとアメリカに1か月ほど滞在した.
(といってもほとんど放浪の旅のような
感じだったけれど)

行く前に,先輩から英語の発音が通じない,
ということで次の話を聞いた.

その先輩がアメリカのマクドナルドで,
トラベラーズチェックが使えるかどうかを
尋ねたそうである.

「トラベラーズチェック,オーケー?」

すると店員は,

"Ha?"

と全然理解してくれるような様子もない.
そこで先輩は,もう一度,

「トラベラーズチェック,オーケー?」

と声も大きめに繰り返したそう.
でも全然店員は理解してくれない.
そこで先輩はわかってもらおうと
必死に何度も繰り返したところ,
ようやく店員は合点がいったという顔をして
カウンターの後ろにいった.
そして戻ってきた彼女の手には,
二つのストロベリー・シェイクが
握られていたそうである.

先輩は,
「なぜ2個だったのか,いまだにわからないんだ」
と話していた.

そんな笑い話を聞いて,果たして
自分の英語もそうなのだろうかと
思ったのを覚えている.
そして,実際,私の英語もアメリカで
全然通じなかったのだが.

しかし,今となれば笑い話ですむのだから,
それはそれでよいではないかと思う.
特に学生の間は.

まずは,気楽に行こう,と
私は学生のみなさんに言いたい.
向こうの小さな子供たちだって
英語を話しているのだから.

子供たちなんか,三単現の"s"だって
あいまいである.
最初はそれでもOKじゃないか,と思う.
意志が通じれば.

先週で終わった国際交流のための
プログラムに参加した日本人学生の感想.

「まずは英語で話す度胸がつきました」

始めの一歩は,そうだと思う.

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