2008年10月10日金曜日

てるてる坊主

昨日,家で「てるてる坊主」が
吊るされているのを見つけた.
明日は運動会ということで,
天気を心配した娘たちが作ったらしい.
ちょっとデッサンのずれた「へのへのもへじ」の
顔を見て,少しほっとしたような気分になった.
私が最後に作ったのは一体いつのことだろう.

てるてる坊主の起源は,
妖怪「日和坊」であると,
「画図百鬼夜行全画集」(鳥山石燕)には
書いてあったと思う.

この妖怪の画集が秀逸で,
水木しげるの漫画や,
私が幼いころにもっていた妖怪大図鑑などの
下絵になっている.
私たちが妖怪の名前を思うとき,
そこに出てくるイメージの多くは,
この画集にそのオリジナルが
求められるのではないかと思う.
(だって,本物は誰も見たことがないはずだから)

日和坊は晴れた日に現れるらしい.
たしか山の岩肌に現れた姿の絵だったと思うから,
ずいぶん大きいものと思われる.
(本によれば)これを祭ったものが
てるてる坊主ということらしい.

子供たちは妖怪が大好きである.
もちろん,ゲゲゲの鬼太郎も好きなのだが,
そうでなくても妖怪話は大好きである.
(私は実は妖怪話が得意である)
怖がっているのだけれど,
なぜか聞きたがる.
この辺に,日本で妖怪が愛されてきた理由が
隠されているように思う.

たぶん日和坊を見たことがある人は
いないと思うけれど,てるてる坊主として
その伝承は残っている.
私たちの日常生活に実は妖怪たちは
いつのまにか潜り込んでいるのである.
妖怪という形で現れた
人間の未知のものへの畏怖と好奇心は,
現代にあっても私たちの生活に
彩りを与えているようである.

#私が画集で好きだったのは,「影女」.
夜,だれもいないはずなのに,
障子に女の影がうつるという.
なんか情緒を感じませんか.

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