2009年1月13日火曜日

円周率が3ということ

受験のシーズンである.
「ゆとり教育世代」が入学するようになって,
何年目になるのだろうか.
彼らが悪いわけではないのに,
なにか社会的に白い眼で
見られているような気がする.

私は,どちらかというと
詰め込み教育重視派である.
正確に言うと,創造性を促す教育も
詰め込み教育も両方大切だ,という立場である.
でも,詰め込み教育を悪ものにする人が多いので,
それの擁護派にまわっている.

なぜなら社会で用いられる知識,技術は
私が学生だった20年前に比べ,
格段の進歩を遂げているのに,
(これについては異論は少ないだろう)
大学に入ってくる学生の知識が
20年前に比べて後退しているなんて,
ちょっと考えれば矛盾しているに決まっている.

もちろん創造性を促す教育も
大切なのは間違いない.
しかし,息子の小学校の授業などを聞いてみると,
なんか違和感を感じる.
先生もご苦労されているし,
生徒もそれでどれだけの教養が身につくのだろうか.
どちらもかわいそうな気がする.

結局,知識はもっと勉強してほしいし,
創造性は勉強への興味をより持たせるようにして
育ててほしい.
欲張りだけれど,そうでなければこの先
やっていけないような気がする.

ふと,ゆとり教育で話題になった
円周率pi(パイ)がおよそ3である,
という近似がどういうことか考えてみた.
(実際にそう習った生徒は少ないらしいけど)

どのくらいおおざっぱなのか考えてみると,
円の周長とそれに内接する6角形の
周長が等しいと考えるほどなのである.
それってかなりひどくないかと思う.
タイヤは転がるけれど,
6角形の断面をもつ鉛筆は転がらないのである.
誰がそんなことを言い出したのだろう?

まぁ,そのことに気づいた学生は
自分で勉強すればいいということなのだけれど,
それではますます理工系へのハードルが
高くなってしまうのではなかったのだろうか.

とはいってもしょうがない.
ゆとり教育の揺り戻しもあるということだし,
今後の展開に期待しましょう.

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