2009年1月9日金曜日

ライブの感動

今年は,生の演奏に触れる機会を
多く持ちたいと思う.

コンサートなどに行くと
「やっぱりライブはいいよなぁ」と
いつも実感するのだけれど,
なかなかその機会がない.

私は,クラシックの演奏会に
もっともっと出かけていきたいのだけれど,
結婚してからは,チケット代の高さや,
休日に家族を残して私だけ演奏会に行くというのも
気が引けて,ずいぶんと足が遠のいてしまった.

ライブというのは独特で,
客席との一体感がそこにある.
演奏者たちも観客からなにかを感じて,
演奏に熱が入る.
もちろんそれを受けて私たちも感動する.
その相乗効果が良い演奏会を生む.

その目に見えない何か,
集中力なのか,迫力なのかわからないけど,
またそれが集団心理に起因するものなのか,
本能的なものなのかわからないけれど,
それが作用して,
ライブを素晴らしくしているのは間違いなさそうだ.

だから演奏自体がどうだったかといわれると,
それは冷静には判断が難しい.
その演奏会が録音されて,あとでCDになって聴いても
その熱さがズバリ伝わる演奏もあるし,
逆にあまりパッとしないものもある.

演奏の良さはCDに入りきらない,などという
評論家もいるけれど,
結局のところ,コンサートにおいては
演奏自体だけではない情報のやりとりによって
私たちは感動するのだと思う.
目から入ってくる映像や,
身体で感じる音圧,会場の雰囲気,
そうしたものが感動を引き起こす.

こうした話は,私たちが人にもつ印象が,
その人が話す内容ではなく,
非言語的な情報,たとえば声の強弱,高低,
リズム,あるいは視線の送り方,身体の姿勢,
そういったものでほとんど決定されるという
心理学の報告によく似ている.

逆に言うと,CDを聴くだけで感動する,
という演奏は,相当に素晴らしいことになる.
もちろん,ライブの名盤も多々あるのだけれど.

私はたまに思うことがある.
話を聴いているときはわかった気になるけれど,
あとから考えると全然わかっていない,というような
講義をしているのではないか,と.
実際,学生からアンケートをとると
そのような回答があったりするので,
反省している.
(興味をもって聴いてくれているだけでもありがたいけれど)

私が目指すべきものは,ライブで盛り上がり,
あとで録音で聴いても素晴らしい演奏であるような講義である.

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