2009年2月4日水曜日

電球型蛍光灯の普及に思う

白熱電球がどんどん電球型蛍光灯に
代えられているという.
消費電力はずっと減るから省エネに
ずいぶん貢献するだろう.
(照明は家庭内の消費電力の20%程度を占める)

電球型蛍光灯が市場に出たのは
ずいぶんと昔だったような気がする.
それが最近になって,ぐっと普及し始めたというのは,
寿命が長く価格が安くなったという理由に他ならない.

たしかに昔のタイプに比べれば,今のものは
ずっとスマートになったし,
スイッチを入れてずいぶん早く点灯するようになった.
色も,白々しいものだけではなく,
自然光に近いものも発売されている.
こうした機能的な進歩はあったことは認める.

しかし,もっとも重要なポイントは,
価格は確かに高いけれども,
寿命は白熱電球にくらべ長いし,
消費電力も低減される.
だから長い目で見るとお得である.
という理由が成り立つようになってきたからではないか.
そしてそれを消費者が理解するように
なってきたからではないか,と思うのである.

環境にやさしいから,というだけでは,
幅広い普及にはつながらない.
やはりコストなのだ.
世界への普及を考えれば,
コスト低減は不可欠である.

日本は「エコ」という付加価値で
商品が売れる特殊市場である.
しかし,世界はそうではない.
安い製品が売れるのだ.

実は,先日の電気学会の委員会においても
この話題が少し出た.
ものづくりの現場の人は,当たり前だけれど
このことをよくわかっている.

インバータエアコンだって,
これだけ普及しているの日本などの
数少ない国だけなのだ.
アメリカや欧州での普及率はずいぶんと低い.
(それだけ未開拓の市場があると考えることも
できるけれど)

高機能化も大切だけれども,
コスト低減も大切.
大学にいるとそうした要求の厳しさを
あまり感じることがないのだけれど,
世の中を変えるにはやはりカネが
一番手っ取り早いのだとつくづく思ったのである.


2 件のコメント:

  1. コスト、大切です。
    転職をする前、移る先の会社がコストにとことんこだわる、と聞いていました。コストダウン=創造的ではない、と思っていたのですが、そんなことない。コストを下げるためには大いに創造性を発揮しないといけないし、トレンドを超えるためには、革新的なことが必要。そして、その結果普及するのです。
    だから、最近コストダウンに肯定的です。
    先生のおっしゃる通りだと思います。
    実例をあげればよくわかりますね。

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  2. 大学にいると,比較的コストの話は少ないはずなのですが,工学者である以上,コストは重要ですよね.
    コストダウンも,強力な開発のモチベーションです.というよりも,どんなに素晴らしいものでも,価格が安価でない限り,世界には普及しません.普及してこそメーカの誉れかと思います.
    コストダウン,私もかなり肯定的です.

    返信削除

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