2009年2月18日水曜日

なぜ人は腰痛になるか

昨日は,実は私用があって早めに帰宅した.
夜,風呂から上がってきてテレビを見ると,
腰痛の話をやっていた.
そのテレビ番組によれば(福島医大のデータ?),
腰痛の85%はストレス,すなわち
精神的なものによるのだという.
家族はみな驚いていた.

実はそうした話は昔からあって,
私は以前よりいろいろと情報を集めている.
精神的なストレスが腰痛の原因になるという説も,
意外に信奉者が多いようなのである.

ヘルニアになると確かに神経を圧迫する箇所が発見されるが,
それが必ずしも痛みの原因になるとは限らないのである.
例えば足のしびれなどがあるようであれば,
それは確かに神経の圧迫が懸念される.
しかし一方で,そうではない腰痛も多々存在するらしい.
神経を圧迫するような箇所があったとしても
痛みを伴うとは限らないようなのである.

実は昨年私は背中が非常に痛くて,
眠ることもできなかったので,整形外科に行ったことがある.
早速頸椎あたりのレントゲン写真を撮影して診断.
医者が説明してくれるとおり,
確かに神経が圧迫されていそうな部分があった.
しかし,どうしてもそれが突然そうなったようには
思えなかったのである.
昨日まで痛くなかったのに,どうして今日から痛くなるのか.
それが疑問で,まずは痛み止めをもらって
しばらく様子を見ることになった.
そのときは鍼灸に(生まれて初めて)行って,
すぐに痛みから解放されたのだけれど,
たぶん今も私の頸椎の軟骨は一部つぶれて
神経を圧迫していることだろう.
しかし,痛みは全然ない.
そんなものかと思う.

腰痛に対する心療的な治療法に関する有名な本として,
「サーノ博士のヒーリングバックペイン」
がある.
もうずいぶん前に(7,8年前位?),
心が身体に及ぼす影響を調べていて,この本を購入したのである.
この本には,ストレスが腰痛の原因になる例と
そのストレスを解消することによって腰痛を治療した例が
いくつも紹介されている.

一昔前は,ストレスでなる病気といえば胃潰瘍だった.
しかし,現在では胃潰瘍の治療法は進展し,
ストレスから逃げ込む病気としては役不足になった.
そこで今度は腰痛になるということが増えているということらしい.

腰痛といえば,小説家である夏木静子の治療の経験談である
「腰痛放浪記 椅子がこわい」
という本も忘れられない.
彼女は3年ほど,ひどいときは立ち上がることもできないほどの
ひどい腰痛に悩まされていた.
そこで,整形外科をはじめとして,整体,鍼灸,
その他のいろいろな治療法を試していった体験がつづられている.
やはり原因がはっきりしないと言われて,
次こそは,次こそはと思い,新しい治療法にすがりついていくのだけれど,
最後には半分あきらめているような感じであった.
それでも,腰痛でも執筆を続けるための工夫や,
好きでやめられない囲碁については,眼への負担を減らすために
緑の碁石をつくったとか,いろいろ面白い話もつづられている.
(一時は自殺も考えるくらい深刻だったらしいけど)

彼女は最終的に奇跡的に腰痛が完治するのであるが,
その治療法がすごい.
彼女を救ったのは,「断食療法」だったのである.
結局のところ,作家であることのストレスからくる
心因性の腰痛であったということである.

もちろん,私はすべての腰痛が心因性であるというつもりはない.
最初は外科的な原因を疑って,整形外科等に通う必要があると思う.
しかし,原因がはっきりしない腰痛が多いというのも事実らしい.
腰痛の慢性化などがある場合には
心因性を疑うことも必要なのではないかと思うのである.

私は幸いにして腰痛に悩まされることは少なく,
こうした本は,単に心が身体に及ぼす事例として
興味を持って読むだけである.
そして,人間というシステムがいかに複雑で
厄介なものかということに,考えを巡らせているのである.

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