2009年3月31日火曜日

小論文試験について~(3) 魅力ある主張を書こう ~

小論文試験の話,続きます.

論文は構成が大切だということを話してきた.
では,どのように構成を組み立てるか,ということになる.

では,お題が例えば,

「豊かさとは何か」

ということであったとしよう.時間は60分.
分量は原稿用紙3枚.1200字とする.

さて,まずは主題を決めよう.
なにをこの小論文で主張したいのか.
それを決めなくてはならない.

たとえば,
「物質にあふれたこの時代,
心の豊かさこそが本当の豊かさである」とか,

「日本は豊かであるとは言われているけれど,
本当にそうだろうか.ブータンなどの国民の方が,
よほど幸せそうに見える」

などという主張である.
しかし,こんな話は全然面白くない.
私だったら採用は不可である.
なんて誰でも考えそうなことを書くのだ,と思うからである.

もしあなたが複数の学生とグループ面接をしているとする.
その学生がみな同じような意見を答えたら,
あなたはどう思うだろうか.
なんと工夫のない学生たちなのだろうか,と思わないだろうか.

私も学生のレポートを読む機会があるが,
みな似たり寄ったりの意見,
特にどこかのサイトのコピペで埋められた文章を読んでいると
吐き気がするほどである.

小論文は,相手を説得することが大切で,
その内容はそれほど重要ではない,と書いたけれど,
それなりに工夫は必要なのである.

では,私だったらどのような主張にするか...
偉そうなことを書いてきたわりに,
大したことが書けないのだけれど,
まぁ,書くとしたら

「豊かさとは可処分所得の大きさである」

くらいかな.ずばりストレート(笑).
でも,こんなことを言う人は少ないと思っているのだけれど...
(ちょっと,狙いすぎかも)

あるいは,これがインフラ系の会社の試験だったら,

「豊かさとは,その重要性に気付かないことである」

と書くのもいいと思う.
電力やガスは普及していて,供給されるのが
当たり前と思っているけれど,
そこまで「普通」になるということが,
「豊かさの尺度」になるのである...なんて感じで意見を進める.
そんな程度かな.
(ちょっと大風呂敷を広げたわりに,
先細って申し訳ありません...)

とにかく人と同じこと,陳腐なこと,というのは
避けるべきである.
なんといっても,試験官に興味を持って
読んでもらうようなものにすべきなのだから,
相手が「またか」などと思うことは
書かない方が得策である.

さて,小論文の話ばかり続いたので,
この件については,ちょっとお休み.
あと1回くらい,小論文のことを書こうかとは思いますが,
私も疲れてきたので,
また,いつか.






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