2010年7月27日火曜日

バンクーバー空港にて(3) ~Tempura Udonを食す~

私は海外にでても日本食が恋しくなるようなことは
ほとんどない.
1ヶ月くらい海外にいたときも,全然恋しくならなかった.
別に,毎食パンとサラダで構わないのだ.

しかし,先日のバンクーバー空港では,
久しぶりに海外で日本食を食べた.

空港へはおみやげを買うために
フライトに比べずいぶんと早く着いたのだけれど,
朝食がチョコ(スニッカーズ(笑))だけだったので,
そのうちにお腹が空いてきてしまった.

とはいっても,シアトルで飛行機を乗り換えたら
すぐに機内食が出ることだろうし,
そこでお腹いっぱいになったら,
それから10時間の機内がつらくなるだろうと思い,
軽食を探した.

なので,久しぶりのバーガーキングは断念して
周りを見回してみると,なんと「うどん屋」が.
「Udon」と確かに書いてある.

これはいいと思い,近くに行ってみると,
アジア系の人が店の中で働いている.
早速,"Tempura Udon"を注文する.
With Big Prawn Tempuraらしい.
価格はTAX込で8.83カナダドル.
結構高い.

定員は,英語のアクセントから判断して,
中国系の人か.
こうした日本食のファーストフードで,
日本人が働いているのを見たことがない.

元気な体格のいい若い眼鏡をかけた女の子が
"Four minutes!"と指を4本立てて
私に言う.
なにか悪いことしたのかとどぎまぎしたけれど,
単に天ぷらが揚がるまで,4分待てということらしい.
"OK, OK."と答えてフードコートで待つ.

どんなうどんが来るのかと楽しみにしていると,
カウンターから

"Tempura Udoooooon!"

という大きな声が響いた.私のTempura Udonだ.
ウキウキしてどんぶりを取りに行くと,
なんと意外や意外,普通の天ぷらうどんである.
確かに大きなえびの天ぷら3本と,
さつまいもの天ぷら1個が付いてきている.
その上,ご丁寧に,天ぷらのつゆまで付いている.

正直,感動.
空港のうどんのファーストフードでここまでの
ものが食べられるとは...

早速食す.
天ぷらはアツアツで,かなり美味しい.
エビもプリプリ.
またさつまいもも熱くて口の中で
ホクホクとする.
まぁ,天ぷらのコロモが厚いのは目をつぶることにしよう.
とにかく美味しい.

麺は...
これはあまりいただけない.
硬くてまだまだ茹でる必要がある.
つゆは関西風だが,味が薄っぺらい.
駅の立ち食いそばよりも2段くらい下の味といったところか.

しかし,バンクーバーの空港で食べると,
それでも旨く感じる.
海外の環境が,美味しさを引き出す調味料になるのだろう.
海外で日本食が恋しくなる人が多い理由が
わかったような気がする.

天ぷらの熱さで口の中を少しやけどしたけれど,
もう十分満足して,荷物検査に向かった.
思いがけず美味しいうどんに出会って,
幸福感一杯でバンクーバーをあとにしたのである.

バンクーバー空港のTempura Udonの写真.こうして見ても美味しそうでしょう?

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