2010年9月24日金曜日

男ならば...~「銀河鉄道999」にみる「男の美学」

少し前の話になるけれど,
私が23時すぎに帰宅しても,
我が家の子供達が起きていて,
熱心にテレビを見ていた.

NHKの衛星テレビで
「銀河鉄道999」の過去のTV放送分を
まとめて4日間20時から24時まで
放送していたらしい.
子供たちは首ったけで観ていた.

私ももちろんこのアニメは大好きで,
もともと大学時代には,文庫版を
全巻持っていたし,ハーロックも
エメラルダスも,千年女王も好きだった.
松本零士が好きなのだ.

彼が描く物語には,今ではすっかり
忘れ去られてしまった昭和時代の
男の美学がある.
(そして女はどこまでも愛情深く優しい)

例えば,銀河鉄道999の「時間城」に
関わるエピソード.

酒場の男たちが,時間城に出かけていった
鉄郎の噂をしている.
(詳細はうろ覚えです)

「あいつはどうしているのかな」
「もう伯爵に殺られてしまっているかもしれないぜ」

そこで後ろの壁に向かって酒を飲んでいる
いわく有りげなマントの男がつぶやく.

「いや,あいつは死なない.
なぜならば,あいつは男だからだ」

???
鉄郎が死んでいない理由は,
「男だから」なのである.
全く理解出来ない(笑).
(ちなみにマントの男は,もちろんハーロック)

また「男おいどん」を思わせる
パンツを押入れに山積みしている
漫画家志望の男(さすがにサルマタケは生えていなかったが)の
エピソードでも,鉄郎が涙を流すと,

「男がこんなことで泣くな」

と言われる.
「男」であることが,行動の規範となり,
評価の基準だったのである.

現在のアニメや漫画ではとんと見かけない.
はっきり言って,いまでは「流行らない」のである.
それどころか,今そんなことを言っていたら,
女性から嫌われるかも.

しかし,私はこの昭和時代の「男の美学」が好きなのである.
それは「強さ」であり,「優しさ」であり,
そして「やせがまん」なのである.
見た目は関係ない(ここに強く惹かれているのかも(笑)).
その象徴が,「鉄郎」であり,「トチロー」であるのだ.
(そして女の優しさの象徴が「メーテル」)

松本零士の美学は,「コクピットシリーズ」などの
戦場もので,とくに明確に現れている.

今では全く流行らないこの美学を
子供たちと一緒になってアニメを観ていて
思い出したのである.

あぁ,私も今からそれを取り戻すことが出来るだろうか.
誰にも見向きをされなくてもいい.
自己満足と言われていもいいから,
あの「男の美学」を.



「いま,万感の想いをこめて汽笛がなる...」

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