2010年9月8日水曜日

電気自動車は,F1の夢を見るか

先週の電気学会電力・エネルギー部門大会では,
種々の企業からの展示もされていて,
それはそれで大変参考になるのだけれど,
今回は九州電力が出展していた電気自動車iMiEVに
試乗する機会があった.

実はPure EV (Electric Vehicle)に乗るのは
初めてである.
残念ながら運転席ではなくて助手席.
そして乗っている時間もおよそ5分.
学会会場を出て,少し走って戻ってくるだけ.
それでも電気自動車の新しい感覚を堪能することが出来た.
九州電力展示のiMiEV
まずスイッチを入れるとエアコンの音しかしない.
エアコンを切ると音がほとんどしないことがすごい.
これは,車内でクラシック音楽を聴くのに
とてもいい環境だ,と思いきや,
走り出すとタイヤのノイズが思いの外,気になる.
たぶん通常のガソリン車ではそれほど
意識には上らなかった音が聞こえてくるということなのだろう.
もちろんエアコンの音も大きく感じる.
意外に音楽を聴くには不適かも...
まぁ,こうしたノイズならばアクティブフィルタを用いて,
スピーカで打ち消すこともできるだろうし,
やっぱりガソリン車に比べれば静かなことは間違いない.
電気自動車の時代はカーステレオの時代なのだ.
コクピット
次に加速が全く違う.アクセルを踏み込んだらトルクが,ほぼ遅れなくかかり,
グーンと加速していく.
これはいい.
こうでなければモータ駆動の車とはいえまい.
このリニアリティ.
そして,どのような速度においても
大きな加速トルクを発生することが出来る制御性.
どれもガソリン車には無いものである.
シフトレバー
アクセルから足を離せば,
回生ブレーキがきいてくる.
強めのエンジンブレーキという感じ.
インパネの指示がChargeに触れる.
おお,運動エネルギーを電気エネルギーとして
電池に回収しているのだ.
これこそ電気自動車の電気自動車らしいところ.

誰かが「これからどれだけガソリン車に近づけることが
できるかが課題だ」などとどこかで書いていたけれど,
それは全く違う.
そんなことをすれば折角の電気自動車の特質が
失われてしまう.
むしろ私たちが慣れるべきなのである.

現在のところ,たぶんトルクの増加率や
ブレーキの効き方などは,ガソリン車に近い
感覚になるように制御されているのだろう.
しかし,潜在的な能力があるのであれば,
それらを最大限発揮すべきである.
全く新しい運転感覚を体験できることこそ,
電気自動車の醍醐味となるのである.

F1が電気自動車で走るようになれば,
ガソリン車はとても敵わないだろう.
燃費,加速,制御性,
どれも電気自動車は勝るはずである.

問題はやはり電池と充電インフラである.
電池は今後高機能で安価なものが
開発されることが期待できるけれど,
充電インフラばかりは,誰かが旗を振って,
導入を進めていかなければならない.
それが電力会社なのか,自動車会社なのか,
それとも政府なのか,それが問題なのだろう.
急速充電スタンド(フェリカのようなもので認証する)

残念ながら,電気自動車の価格は
まだまだ高く,とても一般庶民の手には届かない.
しかし,私たちの身の回りで走り始めるのは,
確かに近い未来のことである.
おじいさんになったら,ピンクのキャデラックに
乗る夢はやめて,電気自動車でブイブイいわせることを,
今後の夢としようか.

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