2010年10月25日月曜日

安藤忠雄氏特別講義 「夢に向かって走り続ける」

金曜日は,安藤忠雄氏の特別講義が大阪大学
吹田キャンパスで開催され,学生だけでなく教員にも
公開されるということだったので,喜び勇んで出かけた.
安藤氏は,雑誌などにも露出が多いけれど,
昭和時代の頑固オヤジという感じがして(失礼),
なかなかに面白いのである.

もう少し早く会場に着けるかと思っていたのだけれど,
出かける寸前に学生から質問を受けて,
もう開演時刻17:00のギリギリの到着となってしまった.

会場の大阪大学コンベンションセンター MOホールは,
収容人数は500人だというのに,立ち見が出ていて,
映像だけ中継される別のセミナー室に移される.
こちらは収容人数120人.こちらもほぼ一杯.
なんとか一席確保して座る.
後で知ったのだけれど,廊下を挟んだセミナー室も
使用されていて,これも一杯.
たぶん当日の聴衆は700人を越えたのではないか.

もちろんその多くは学生だったけれども,
教職員の姿もずいぶん多かった.
それより,なにより驚いたのは女子学生の数が多いこと.
吹田キャンパスにこんなに女子学生がいるなんて!
工学部,それも電気系建物付近をうろついているだけでは,
決してお目にかかれない光景である.

さて,安藤忠雄氏の講演.
タイトルは,「夢に向かって走り続ける」.
実は安藤氏は昨年も大阪大学(ただし豊中キャンパス)で
特別講義をされていて,そのときのタイトルが,
「夢に向かって走る」.
このセンスがいいなぁ...(笑)

内容は...やっぱり面白い.
バッサリと世の中の物事,人物を切っていく.
もう少し若い頃に彼の講演を聴いたら,
たぶん「ヤ」のつく業界の人かな,と思っていただろう.

いろいろな話題が出たのだけれど,
それらはこの記事の最後に適当にまとめておく.

中でも,東大の入学式で,3000人の入学生に対し,
6000人の親が来たことに苦言を呈したことが
昔新聞記事になっていたけれど,
本当は,親たちに会場を出て行ってくれ,と
言うつもりだったけれど,東大側から止められた,
などという裏話は面白かった.

まずは安藤氏は学生たちに自立を求めていた.
そして,社会のことを考えろ,と言っていた.
最後に,実行力.
安藤氏の実行力は,本当に突き抜けている.
もうマンガの世界のような話を現実にして,
いくつかのプロジェクトを実現しているらしい.
そうした実行力.
これについて,私は特に深く印象に残った.
(「生きるためのしたたかさ」についても言及されていた.
中国の人たちのしたたかさに比べ,日本の若者は
どうしたものか,という.私も激しく同意する)

安藤氏には,「自分で仕事をする」という夢があった,
そうである.
現在の若者たちはどんな夢を持っているのだろうか.
そして,中年の私もそうである.
どんな夢をこれから持つべきなのか.

ずば抜けた行動力を示す安藤氏の講演には
いろいろと考えさせられるところがあった.
また機会があったら,と思う.

#しかし,話術がうまいなぁ.
寝ている学生がほとんどいなかったものなぁ.


<以下,講演のメモ.興味のある人だけどうぞ>

・日本はお先真っ暗.いま聞いている学生の10人のうち
2,3人は目覚めて欲しい

・私は,「80年以降に生まれた人たちはみな,
海に捨てろ」と言っている.
豊かな日本が続くという幻想のもと,親たちが
子供を甘やかしている.
甘やかされた子供たちは本当にひどい.
「聞いている君たちのことだ」(会場,笑)

・1969年に経済大国日本と呼ばれるように
なったときからダメになった

・本田宗一郎,盛田昭夫など昔は素晴らしいリーダがいた
今はリーダになる必要はない.
個々人がそれぞれの責任を果たせばよい

・学生たちは「基礎学力」を身につけろ

・教養は広く,専門は狭く高く.
とにかく本を読め

・「知的体力をつけろ」

・「地球とともに生きている」

・「建築とは人が集まる場所を作る仕事」

・「自分の能力をかけて,人生を計画して欲しい」

・「大阪が好き.しかし,現在の大阪は...」

・「子供を可愛がりすぎて,自分の考えを押し通す
ばかりになってしまった」
->この話題についてはまた記事を書きたいと思う

・「好奇心が大事.昔の人たちの好奇心が今の日本を作った.
映画,美術館,博物館などにも足を運ぼう」

・「境界を越えて」

・「自立した個人」

・「大学は人生のスタートライン」
大学に入ったということは自分に責任を持つこと.
徹底して基礎学力を身につけろ

・「専門職を持って社会に貢献,それがアイデンティティー」

・「リーダーは勇気・決断力」

・「困難に立ち向かう力を」

・「独創力を高める.審美眼,鑑識眼,本物を見抜く力」

・「資源は無くなっている.頭脳だけが残る」

2010年10月21日木曜日

やっぱりモータが熱い (パワーエレクトロニクス学会 専門講習会「次世代モータ技術とそのドライブシステムの最新動向」(セミナ)

モータの研究開発分野は,現在も依然として
ホットでありつづけている.

日本の電力の半分以上は,モータによって
消費されているし,希土類磁石,すなわち
レアアースを使用した高性能磁石によって,
その高出力化,小型化,高効率化などが推し進められ,
私たちの生活も大きくその恩恵を受けている.

以前に小型化したモータによって,
鉄道の駅などにバリアフリーのための
エレベータが設置されるようになった,
あるいは機械室が無いエレベータが
マンションに設置されるようになったという
記事を書いたけれど,電気自動車,
ハイブリッド自動車がこれだけ話題になっている
今,どれだけ私たちの身の回りにモータが
あふれているか,ちょっと考えればわかることである.

そんな中,私が庶務幹事を務めている
パワーエレクトロニクス学会では,毎年開催している
専門講習会のテーマを今年は「モータ」とした.
(学会の企画担当の方々,どうも有難うございます!)

中国のニュースで話題になっているレアアースを
使わないモータの研究や,計算機を用いた
仮想モータによる設計法など,第一線で活躍されている
研究者,技術者の方々に講師となっていただいている.
企業の初級からベテランまでの技術者,研究者のみならず
企業の企画担当の方々,
大学,高専の学生も含め,幅広い層の方々に
有益となるセミナになると確信しております!
ご興味のある方は,この記事の最後をご覧ください.
(宣伝です(笑))

そういえば,電気自動車のスポーツカーで話題の
テスラ・モータースのモータは誘導機であるという.
すなわちレアアースを用いた永久磁石型同期モータでは
ないのだというのだ.
これは昨年のパワーエレクトロニクスに関する国際会議
ECCE2009において,プレナリーセッションで話題となったのだが,
その理由を聞かれて,テスラモータースの創立者は,

「中国が市場を握っている材料は
使用したくない」

という趣旨の回答を行っていたのを思い出す.
現在の状況を予想していたのかな?
まぁ,アメリカもレアアースを多く生産するようになったら,
テスラモータースの自動車も永久磁石モータを
採用するようになるのかもしれないけれど.

日本もこうした研究開発分野に対しては,
国としての方針をはっきりと打ち出すべきなのかもしれない.
そうすれば,不安定で変わり続けるこの世界の状況に
研究者,技術者,そして経営者が右往左往することもなくなるだろう.

***********************

パワーエレクトロニクス学会
第25回 専門講習会
「次世代モータ技術とそのドライブシステムの最新動向」


***********************

平成22年11月20日(土) 10:00~16:55
大阪科学技術センター 中ホール

■プログラム内容

1. モータ技術の最新動向と将来展望
森本茂雄(大阪府立大学)     

2. マルチレベル電力変換器の新しいアプローチ
野口敏彦(静岡大学)

3. レアアースフリーモータ -SMCコアを利用した誘導電動機-
森本雅之(東海大学)

4. バーチャルモータによるモータドライブシステムの評価手法
尾崎順彦(ディエスピーテクノロジ)

5. 洗濯乾燥機用可変磁力モータドライブ
新田 勇(東芝)

6. ハイブリッド&電気自動車向け巻線切替方式モータドライブシステム
前村明彦(安川電機)

7. 油圧機器におけるモータドライブ最新動向
仲田哲雄(ダイキン工業)

■参加費:

正会員 :5,000円
学生 :3,000円
非会員 :10,000円

テキストのみ購入:5,000円
(パワーエレクトロニクス学会会員特別価格2,500円)


詳細とお申し込みはこちらから

2010年10月20日水曜日

KSTARのニュースに思う

このブログのアクセス数がこの2-3日,
急激に伸びていたので,
不思議に思って少し調べてみると,
韓国の核融合装置 KSTARが,核融合反応に
成功したというプレスリリースがあって,
それで私が過去に書いた記事が検索に引っからしい.
(過去の記事: 「KSTARのFirst Plasmaに想う」)

私はそのニュースを全然知らなかった.
いや,不勉強である...反省.
でも,KSTARが中性子の発生を確認したということで,
まずはそれは良かったと思う.

KSTARは,当初韓国には核融合について
ほとんど経験が無かったので,
いろいろと他国に技術的な指導を受けて,
立ち上がった装置である.
ずいぶんな苦労があったと聞いている.

技術的にもいろいろ問題があったようで,
(私も前の職場にいたときは,いろいろな話を
聞いたけれど)
10年以上もかかってようやくファーストプラズマの
点火にこぎ着け,2年後の今年中性子を確認したと
いうことなのである.
なにもないところから研究を立ち上げ,
そして数々の困難があっても途中でプロジェクトを断念せず,
継続してきた韓国の研究者,技術者のみなさんには頭が下がる.


韓国の研究者,技術者が頻繁に日本の
核融合研究所やJAEAを訪れ,
いろいろと情報収集をしていたことを思い出す.
国際学会においてもKSTARチームは発表の歯切れが悪く,
いろいろ発表できない話があるのだろうなぁ,と
当時,彼らの立場を思うと,気の毒になるほどであった.



KSTARは強制冷却型の超伝導導体を用いた超伝導コイルを
用いた中型装置であることが特徴である.
結局,これまでで超伝導コイルは定格性能を出せたのだろうか.
核反応を起こすと,コイルの冷媒温度があがるだろうけれど,
高出力,長時間でもコイルの運転は大丈夫なのだろうか.
その辺の話が聞けるようになると面白いかと思う.
(それは,かなりプラズマの性能が上がってからの話だろうけど)

まあ,今回の結果は,プラズマの性能的には
やはり,まだまだなのであり,
また中性子が検出されたといっても
(詳細はわからないが)
重水素プラズマ実験を行えば発生するものだから,
特に重要ではないと思われる.
よって,今後の成果に期待するわけで,
韓国の技術者,研究者のみなさんの努力は
まだまだ続くのだろう.


ただ,長時間放電だったら,日本の九州大学のTRIAMの
5時間以上の記録があるし,
高性能プラズマだったら,JT-60UがITER相当の性能で
28秒間も維持しているし,定常運転で必要な自発電流が
多く流れる状態も8秒間維持できている.
KSTARはトリチウムプラズマ試験はできないし
(ヨーロッパのJET,アメリカのTFTRは経験があるけど),
そのうちにITERの実験が始まるだろうから,
一体,KSTARは何を特徴とする装置として運転していこうと
しているのか,その辺をこれからはっきりする必要があるだろう.


日本では,ITERの幅広いアプローチの一環の
サテライト装置として,ヨーロッパと共同で
JT-60SAという超伝導試験装置が建設中である.
計画では,平成28年に運転開始の予定である.
KSTARがJT-60SAの良きライバルとなるように,
成功を祈っております.





2010年10月19日火曜日

鳴弦

いつだったか,NHK FMの番組で,
武満徹作曲の大河ドラマ「源義経」の
テーマ曲が流れていた.

その曲では,和弓の弦を鳴らす音が
オーケストラの奥に含まれているのだという.
どこかの弓道部の人たちに頼んで,
録音したのだとか.
しかし,ラジオから流れる曲からは,
その弦の音を確認することは困難だった.

このエピソードを聞いて
「鳴弦」ということを思い出した.
これは,弓に矢をつがえずに,
弦をはじいて音を出し,
邪気を祓うというものである.
あの太い音を魔が嫌うというのだろうか.
いまでも皇室では行われることがあるとかきく.

こうした退魔の儀式においては,
しばしば音が重要な役割を果たす.
古来,剣がフッとなる音も魔除けになると
言われている.
古事記に出てくる経津主神(ふつぬしのかみ)も
剣の神様で,剣でなにかを断ち切る音から
その名前が生まれたと言うことである.

しかし,フッと鳴るのは何かを切ったときではなく,
剣を振ったときである.
古代,神事に用いた剣には穴が空いているものもある.
これは,剣を振ることによってより大きな音が
発せられる工夫なのだという学説もある.
「フッ」と鳴ることによって邪気を祓うのである.

そう思うと,現在でも邪気や悪い考えを祓うのに,
口から少し強く息を吐き出すことによって,
「フッ」という音を立てるというお呪いがある.
もしかすると源は一緒なのかも知れない.

現在にも,音によって邪気を祓うという
考えは確かに受け継がれているということなのだろう.

2010年10月18日月曜日

大乗

私はこれまでずいぶんと人に
ひどいことを言ってきたようだ.
それについては,申し訳ないと思う.

しかし,私は心にもないことを言うことが嫌いだし,
周りくどいことも大嫌いである.
だから会話でも,最初から結論を言う.
良いなら,良い.
ダメなら,ダメ.
直截的に言ってしまう.
そのほうが効率的だし,感情よりも事実が大切,
それで良いと思っていた.

しかし,先日も母にそのことをたしなめられた.
おまえはキチキチしすぎる.
確かに言うことは正しいかもしれないが,
それでは傷つく人がいるかもしれない,と.

私はこれまで,世界の事実は事実として受け止め,
逆にいうと,自分も含めて感情というものに
左右されない世界を求めていた.
良いも悪いも自分で決め,自分で責任をもつ世界.
それで良いと思っていた.

母に言われて,そればかりではない人もいることに
思いがようやくいたるようになった.
そうした人たちにとっては,世界の事実が
必ずしも重要なのではない.
それよりも感情が大切だと思うのだろう.
(そうとばかりが良いとは,私はまだまだ思っていないのだが)

仏教で言えば,今までの私は「小乗」であった.
自力本願がすべてである.
しかし,そうではなく,「大乗」であることも
重要なのかもしれない,とも思うようになってきた.

厳しい修行を誰もができるわけではない.
「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで
救われるべき人たちもいるのだ.
そして,私もその中に入る時が来るのかもしれない.
他力本願でもいいではないかと,少し思い始めてきた.
そこには,そこでなにか別の心境があるような気がする.

ちょっと私も変わるのかな,と思う.
まぁ,今まで「自力本願」できたわけでもないのだが...

2010年10月13日水曜日

最適解・最短距離を求める若者たち

最近の若者を見て思うこと,第2弾.

(2)「すぐに最適解・最短距離を求める」


最近の学生は,なにか行動を起こす前に,
最適解・最短距離を求めることが多いような
気がする.

「最適解・最短距離」と書くと,
なにか良いことのようだが,実際は,
「安易で楽な方法を選ぶ」ということである.

なにかを実現するために,
そのプロセスは問題にしない.
結果が得られるかどうかだけが大切で,
その結果もなるべく労少なくして
得ることを望む.

工学者としては,この考え方は
確かに理にかなっているのだけれど,
これが学習や研究など,
人間の成長に関わってくることになると
いささか問題を生じる.

最初から得られる結果が見えていなければ
努力もしないのだ.
だから,「やってみなければわからない」という
課題については,非常にやる気をなくすのである.

研究なんて,解が初めから求まっているわけが
ないのだから,彼らのモチベーションは全く上がらない.
やればできることしか行わない.
なんと貧しい人生...

解決しない問題を,なんとかして
乗り越えていこうという努力,工夫こそが
研究,いや人生全般の醍醐味ではないのか.
それを放棄しているのだ.
なんと悲しい人生...

たぶん子供の頃から,
与えられた問題をいかに早く正確に解くかだけを
練習させられてきたのではないだろうか.
テストを与えられた時間内にすべて解くためには,
迷っている暇はないのである.

(最近の私立中学,高校等の入試問題をみると,
本当に呆れてしまう.
問題量がすこぶる多い.
あれを時間内に解くためには,
寄り道をしている暇など無いのだ.
さらに付け加えると,算数の応用問題などをみると
それで何をはかろうとしているのか
疑問に思うようなものが多い.
そこまで緻密で高級な論理展開を
小学校6年生に求めるのか?と
首をかしげるような問題も多いのである.
正直,小学校6年でそんな問題が解けるような
子供には「のびしろ」を感じることが少ない.
そうした子供は一体,将来なにになるというのか???)

だから彼らは問題を解くための「やり方」を重視する.
私の子供も,そうしたことを口にする.

「この問題のやり方は...」

私はこうした言葉を聞くと,
すぐに怒ってしまうのだけれど,
学校や塾でそうやって習っているのだから,
彼にとっても仕方がないのである.
問題の意味なんて関係ない.
とにかく,「やり方」を適用して
最短距離で解に達することだけが重要なのだ.

本当に,かわいそうに...
そして,彼らは「僕たちがこうなったのは
大人せいだ,社会のせいだ」というのだろう.
そういうことによって,なにかが解決されると
思っているのだろうか.

研究などの楽しみは,寄り道にある.
言ってしまえば,失敗にこそその意味がある.
失敗無しで成功を安易に求める学生たちは
この先,どうするというのだろうか,
本当に心配である.

しかし,大学に入ってからそうした学生を
こうした道に導くのはなかなか難しい.
そのような若者たちは,
大学に入るまでにすでに
すっかりスポイルされているのだから.

第1弾 「将来に大きな希望を持っていない若者たち」はこちら

2010年10月12日火曜日

脳の限界を超えることができるか

昔,「ケイゾク」という後味のすこぶる悪い,
刑事ドラマがあって,しかしそのくせ,
心のどこかをひっかくような感覚がやみつきになって,
毎週欠かさずにみていた.

主演は,中谷美紀と渡部篤郎.
なによりも野口五郎が良い役で,
もう大ファンになったし...
(西尾まりも良かったなぁ)

その設定を一部引き継いで,
新しいドラマが始まった.
SPEC」.
主演は戸田恵梨香と加瀬亮.
実は,最初の20分程度しか見ていない.
演出は,「ケイゾク」と同じ堤幸彦ということで
(「トリック」なども同じ)
あちらこちらに笑いのツボを押さえたもので
あったのは確認したのだけれど.

加瀬亮はいいなぁ.
最近,実力派として定評あるのもわかる.
存在感があるもの.
一方,戸田恵梨香はちょっと力入りすぎかな.
中谷美紀のイメージにつぶされないで
頑張って欲しい...

と,雑談はここまでにして,
(といいつつ,これからも雑談だけれど)
ドラマの中で,戸田恵梨香演じる主人公が,

「人間の脳はその10%しか使っておらず,
残りの90%はどのように働いているか,
いまだ不明である」

というような内容をセリフで言っていた.
しかし,いまだにそんな話があるのかと
私は思った.
たしか最近の脳研究の成果によれば,
確かにその詳細の機能はわからないけれど
脳はやはりその大部分を思考に使っている,と
いうことになっているのではなかったっけ?
すなわち10%しか使っていないというのは,
あまりにも過小評価なのではないだろうか.

ケイゾクよりも以前,
Night Head」という深夜ドラマがあった.
武田真治,豊川悦司が超能力をもつ
兄弟役で,大変に人気が出たドラマである.
(ちなみに映画も公開されて,
学生時代,初日に渋谷の映画館に観に行ったら
(舞台挨拶があったので)
その周辺の路地という路地が女の子で
埋め尽くされていて,とても映画館まで
たどり着けなかった記憶がある)
このドラマでいうところのNight Headとは,
たしか使っていない70%の脳の能力だったと思う.
すなわち使っているのは30%.
それだって,ずいぶん少ない.

脳というのは未だに不明な機能がたくさん
あるから,こんな話がいろいろと出てくるのだろう.

人体の筋肉については,やはりその70%~80%くらい
しか使えないと言われている.
(「北斗の拳」じゃないよ)
それは,限界まで使用すれば,
筋肉が破壊されてしまうからである.
そのため,精神的限界が肉体的限界よりも
前に存在し,身体を壊さないようにしている.

これを越えるときに出てくる力が,
いわゆる「火事場の馬鹿力」である.
また武道は気合や自己暗示などで
その領域の能力を使用しようとする修練を積む.
それは昔からよく知られたことだったのである.

そこで私は考える.
脳の能力についても,実は精神的限界が
存在しているのではないかと.
「SPEC」の中でも紹介されていたが,
映画「レインマン」の中でダスティン・ホフマン演じる
自閉症の兄が見せる驚異的な記憶力は,
サバン症候群などの人に「希に」見られる
特殊能力なのだろうけれど,
それらは,日常生活の中でいつのまにか,
心理的に形作られてしまった精神的な限界が
外れてしまったために,発露したものなのかもしれない.

脳の能力の限界を超えたところに
そうした異常な能力が発揮される領域があるのかもしれない.
そう,思うのである.

しかし,肉体的限界を超えれば,当然筋肉等は
破壊される.
では,脳において,その限界を超えたとき,
どんな副作用が現れるのだろうか.
怖い話である.

しかし,過去よりそうした限界を超えるような
修行というものは確かに存在しているような気がする.
たとえば,宗教的なもの(滝行,護摩など),
武道的なもの,催眠的なもの,気功などである.
これらを日常生活に破綻をきたさず,
うまく使う術が,それぞれの修法に
伝えられているのだろうと思う.

脳の限界を超える.
確かに魅力的ではあるけれど,
廃人への道かも知れない.
本当に怖いなぁ...


2010年10月8日金曜日

Tarzanを読む人

「Tarzan」という雑誌がある.
おしゃれに,フィットネスを楽しもう,
という感覚の雑誌で,
創刊してからたぶん20年くらいは
経っているであろう,
いまや老舗のひとつとなっている.

私が学生の頃,
脳みそまで筋肉で出来ている
と言われるくらいだったから,
この雑誌が大好きで,
本当に貪るように読んでいた.

だって,どう考えても
「ボディビルんディング」という雑誌を
読むよりも「Tarzan」を
読んでいる方がおしゃれになった
気持ちになれるのだもの.

しかし,大学院生くらいになってから
いつのまにか読まなくなって,
(トレーニング自体をやめた)
ときどき立ち読みでタイトルを見る
くらいになっていた.

それが最近,一冊購入したのである.

「ランニングがカラダに効く5つの理由。」と
書かれている表紙に惹かれたのだ.
ずばりご想像通り,ダイエットをしなければならない,
と考えていたからである.

ページを開いてみると,
相変わらずの「おしゃれ感」がある.
そして,なぜランニングをするといいのかという,
理由が科学的に,これでもか,これでもか,というくらいに,
書かれている.

最初の方は読んだいたのだけれど,
途中から,もういいよ,と飽きてしまった.
私はそんなに運動生理学に詳しくならなくていいよ.
もうホルモンやら,酸素やら,能書きはどうでもいい.
とにかく,ある速度以上でランニングを続ければ,
カラダに効果があることがわかればいいのだ.

結局,「Tarzan」で一番役に立ったのは,
ウェアやシューズ,すなわちファッションである.
もちろん,それらを購入するわけではない.
しかし,それらを着ることが出来るまで,
走りこんでカッコよくなろうかな,という
モチベーションが高くなるのである.
これ,大事.
まずは走ろうとするモチベーションである.
それが不純であってもいい.
とにかく,走ることが大切なのだ.

結局,カッコから入るのが私に一番向いているらしい.
そんなダメダメな自分が結構好きだったりする.
だって,「Tarzan」の内容を理解して運動している人って,
どうも苦手な感じがするもの.
(ということは,学生時代の自分はずいぶん
暑苦しいヤツだったのだなぁ,と今になって思う)

2010年10月6日水曜日

ヒガンバナ

ヒガンバナには,なぜか昔から
オドロオドロしいイメージを持っていて,
それを見てとても感傷的な気分にはなれなかった.

どこかで読んだ話に,
ヒガンバナは血の赤だ,などという
文章があって,それがいまだに
心に残っているからなのかもしれない.

しかし,昨日キャンパス内を歩いていて,
街路樹の下に輝くような美しい
オレンジ色を見つけてハッとした.
ヒガンバナであった.

気をつけてみると,2~3mの距離をとって
植えられている街路樹の下に
点々とオレンジ色が続いている.
誰かがそのように植えたのだろう.

ヒガンバナの色は,全く血の色などではなくて,
鮮やかなオレンジ色であった.
それが茎の黄緑色に映えて,
すがすがしい印象さえ与える.

花の姿も華奢かと思いきや,
生命力にあふれた華やかさがあり,
思わず足をとめて見とれてしまったくらいである.

なんという健康的な明るさ.
もっとジメジメした花という印象は,
間違いであったことを思い知った.

今年は酷暑でヒガンバナの開花も遅れたという.
ご先祖様を迎える彼岸には間に合わなかった
ことだろう.
でも確かに,祖霊を迎える道しるべに
この花はふさわしい気がする.
それは決して陰湿なイメージではなく.

目がさめるようなオレンジ色である

2010年10月5日火曜日

将来に大きな希望を持っていない若者たち

ゆとり世代の学生に失望した,などという
企業の人事の方が書いた記事を見かけた.
最近そうした記事を目にする機会が多くなった
ような気がする.
ゆとり教育の原因は彼らにあるわけではないのに,
責められるのもかわいそうな気がする.

しかし,最近の学生に触れてみて,
いくつか特徴的に思うことがある.
今日はその中からひとつあげてみる.

1)「将来に大きな希望を持っていない」

大学生になって,将来プロ野球選手や,
芸能人になりたい,という学生の数は
多くないとは思うけれど,
彼らの夢を訊いても,あまりぱっとしない
答えが多くなっている.

まずは,具体的な職業があげられない.
もちろん企業名もあげられない.

彼らの典型的な答えは,
「将来が安定的な企業に入って,
そこそこ働いて,そこそこの給料をもらって,
あとは適当に楽しく暮らす」という感じのもの.

ハードに働くことは嫌で,
給料もそんなに多くもらわなくても良く,
仕事に見合った毎日生活に困らない程度に
もらって過ごしていければよい.
また,仕事はそこそこ楽しければ良く,
その他,趣味で楽しいことを続けて
いければ良いと思っている人が多いのだ.

これは,これからの社会に
若い人たちが希望が持てていないからだと推測する.
(まぁ,よく言われていることなのだけれど)

昔の労働者のように,馬車馬のように
働けばそれなりの幸せがつかめる,という
幻想は今は無い.
そんな先の見えない社会のために
なにを身を粉にして働く必要があるのか.
そう思うのもわかるような気がする.

しかし,国際学会や研究の交流の場で会う
海外の学生はそんな考えは持っていないようだ.
自分の能力を十二分に発揮することが
もっとも幸せへの近道である,という感じで
勉強をしている.
彼らと話していても,物怖じせず,
自信を持っていることが感じられる.

海外の学生,日本の学生,
どちらが正しいのか,という問題ではないのだけれど,
どちらの心構えでいる方が,
幸せになれるか,能力を磨けるか,ということは
はっきりとしているのではないか.
それを心配してしまうのである.

まぁ,仕事偏重主義も良し悪しがあって,
仕事がダメになったとき,自殺までいってしまう
若者が多いのも日本の特徴らしい.
仕事がだめなら人格が否定されたと考えてしまう,
どこか真面目すぎて,臆病な傾向を
持っているように思われる.

こうなったのは,社会が悪い,というのは
簡単だけれど,いずれにしろ,
自分自身が努力しなければ局面は
打開できないことははっきりとしている.
残念ながら,手をさしのべてくれる人は少ない.
それを考えて,行動して欲しい.
(研究・勉強してほしい)

もちろん,上に挙げたような人とは
異なる学生も多くいることも承知している.
しかし,実感として確かに上記の傾向の
若者は増えているのだ.
それを肌で感じている身として,
少しは何とかしたいと思っているのだけれど...

項目(2)以降は,また別の機会に.
(もうないかもしれないけれど)

2010年10月4日月曜日

研究や勉強を強制する必要はないはず

大学,合氣道部の主将時代,
(主将はくじ引きで選んだと覚えているが)
部員の出席管理なんてほとんどしていなかった.
合氣道なんてものは団体競技でもないし,
そもそも競技でもないので,
誰が来ようが,来まいが,
その活動に関係がなかったからである.

しかし,稽古には部員は大勢参加した.
強制はしていなくとも,みな強くなりたくて
練習をしに道場にやってくるのだ.
これは町道場と同じ感覚である.

その稽古も適当にやるというのではなく,
1時間半の稽古時間が終わっても,
さらにもう1時間半,自主練習にあてる
後輩が多くて,正直閉口していたくらいである.
こちら(上級生)は早く飲みに行きたいのに,
夜の8時になってもまだ技の練習をしようとする.
こちらもある程度つきあう訳なのだけれど,
そのうち,もうやめてくれ,と頼んで
引き上げさせてもらうこともしばしばだった.
とにかく,練習の虫が多かったのである.

なぜこんなことを思い出したのかというと,
大学の研究や講義もこうあるべきなのではないか,
と思ったからである.

そもそも大学に入学した時点で,
本来,勉強をすることが目的のはずである.
その目的にしたがって,各自強制されなくても,
自主的に勉強を進めるのが自然ではないのか.
講義の出席点なんてものもおかしい.
試験で理解さえしていればいいのだから.

しかし,現在の学生は勉強することが
大学に入る目的ではないらしい.
大学を卒業することが目的であって,
単位を取ることが目の前の目標となる.
したがって,勉強をすることが目的ではなく,
「ズル」をしてでも単位を最短距離で取得することが
大切となっている.

勉強をなんのためにするのか,と問われたら,
「大学を卒業するため」と答えるのだろう.

しかし,勉強は本来自分の能力を向上させるために
行うものである.
そして,その効果はすぐに現れるわけではない.

大学の講義をほったらかして,
就職活動をする学生を見て,
その理由を大学の講義に魅力がないからだ,と
言う人を多く見かける.
確かにそうかもしれないけれど,
就職と大学の講義を天秤にかけたら,
それは就職の方を選ぶだろう.
まして,現在の状況では就職を失敗すれば,
将来がずいぶん危ういと言われているのだから.

大学における教育が本当に不要だと思っているのであれば,
高卒で優秀な人をどんどん採用すればいいのに,と思う.
大学での4年間ないし6年間が無駄になるのであれば,
その時点で,ある大学に入るだけの能力があった,という
証明書となる合格通知さえ持っていれば良いではないか.
それで企業は採用すればいい.

大学で教える内容は,昔から変わっていない.
即戦力の知識などがメインではない.
あくまでも基礎学力が重要である.
それで私は良いと思う.

それなのに,企業からは大学の知識は使えないとか,
即戦力の知識を身につけろ,という声が
学生の耳に聞こえてくる.
(一部,基礎学力が大切だ,とはっきり言っている
理工系企業もありますが)
そうした状況の中で,学生はどう考えるだろうか.
ますます大学における勉強を軽んじていくだろう.
本当にそれでいいと思っているのだろうか...

勉強の効果は,すぐには出にくい.
そしてそれを実感するにしても事後的である.
勉強しているときには,それを感じることができない.
だからこそ,大学における時間は貴重なのである.
実効性を実感できなくても,学問に集中できる時間なのだ.

その意味さえ理解してもらえれば,
誰に強制されるでもなく,学生たちは勉強し,
企業もその貴重な時間を就活に浪費させないよう,
学校のスケジュールを配慮するだろう.
また新卒にこだわらない採用をしてくれるだろう.

なんのために勉強しているのか.
それを誤っていては,今の状況は変わらない.

2010年10月1日金曜日

アメリカ出張の機内で映画を観た

ECCE参加でアトランタに行く途中の
飛行機の中で,映画を観た.
いつもならば,ほとんど機内上映される映画を
観るのだけれど,今回は体調もかなり悪く,
帰りも寝てしまったので,観た映画本数は
かなり少ない.

それもまたまたB767の狭い機体内で,
観光バスのテレビと同様の状態で観たので,
非常につらかった...
(なんとかなりませんかデルタ航空さん...)

でも,恒例によって感想を.

"Prince of Persia"
これがディズニー映画とは驚き.
ファンタジーはファンタジーだけれども,
ほとんどが戦いシーンで明け暮れる
アクション映画である.

時間を止める魔法の砂と短剣を巡って,
心優しく,強き王子様が
綺麗な隣国の王女と繰り広げる冒険物語.

アクションシーンは格闘技というよりも
パルクールである.
パルクールとは,街中の建物や壁などを
障害物として,ひらりひらりと飛び越えたりする
かっこいいけれど非常に危険な技術である.
あるいはフリーランニングとも呼ばれる.
Youtubeとかで動画を探してもらえばわかるのだけれど,
都会の忍者という印象である.
私も練習してみようか,と言ったら,
大けがするからやめろとうちの奥さんに言われた.
実際,大けがする人が多いらしい.

話の内容は薄いので,
このアクションを楽しむしかない.
しかし,見た画面は通常のCRTである...
残念.

採点は星2つ(5つが満点)★★☆☆☆

"A-Team"
言わずと知れた特攻野郎Aチームの映画化.
とはいえ,私はTVシリーズを見ていなかったので,
それほど思い入れもない.
昔は,モヒカンの黒人を,Mr. Tが演じていたような
気がする.

いかにもアメリカのTVドラマのノリであり,
気楽にみれる映画である.
アクションはほとんどマンガで,
笑って楽しむことができる.
とはいえ,もう一度みたいとは思わない.

採点は星2つ(5つが満点)★★☆☆☆

"Karate Kid"
これは観たかった映画.
しかし,アメリカ国内線で観たので英語.
そして,時々出てくる中国語には,
英語の字幕がでるのだけれど,
画面が小さくて読み取れない.
なにかいいこと言っているようなのだけれど,
全然理解できなかった.

しかし,ストーリーは至極単純だから,
ほとんど会話が聞き取れなくても楽しめる.

主演のウィル・スミスの息子もまぁまぁ
良かったけれど,カッコよすぎ.
昔のカラテキッドのラルフ・マッチオの
あのダメダメ感に不足している.
初代のカラテキッドにおける主人公は,
低所得者の母子家庭の高校生で,
なにも取り柄が無く,
女の子にももてそうもない,
本当に鬱屈した男の子だった.
そこに,あの時代のアメリカの事情が
反映されていたように思う.
学校とは違う別のことに価値観を見つけて,
また新たに生活を始めていこうという
ストーリーだった.

しかし,今回も同様の家族構成という
感じではあるけれど,
そうした暗さ,ジメジメ感が最初から無い.
主人公はいじめられてもクールなのである.
仲良くなる女の子もなんでもできる優等生だし.
汚い側面がすべて無くなっている映画である.

唯一の救いがジャッキー・チェン.
情けない中年男を演じている.
すごい演技というわけではないけれど,
彼がいなければこの映画の価値は
ますます下がっていたことだろう.

採点は星3つ(5つが満点)★★★☆☆

その他は,眠ってしまって観なかった.
Xファイルのディビッド・ドゥカブニーと
デミ・ムーアが出演していた"The Joneses"が
少し面白そうだった.

眠ってしまい,途中から観たのが,

"Quantum of Solace"(007 慰めの報酬)
たぶん半分くらいは観たと思う.
とにかくダニエル・クレイグの魅力たっぷりである.
ハードボイルドで,鍛え抜かれた身体を持ち,
それでいて,悲しさが漂っている.
歴代のボンドの俳優の中でも,私は
一番好きかも知れない.

ダニエル・クレイグに主演が変わってから,
映画は2本.どちらも悲しみと切なさで
あふれている.
昔のように,気楽に観れる感じではなくなった.

今回は悪役のインパクトが弱すぎる.
小物すぎるのだ.
その他のエピソードも悲しいけれど,
深みが足りなかったような気がする.
(前半を観ればもっと違う印象かも知れないが)

ダニエル・クレイグの魅力で持っている映画.
彼に憧れるなぁ...
(学年で言うと同い歳なのだ)

採点は星3つ(5つが満点)★★★☆☆

番外編として,滞在中TVの映画チャンネルで,

"The Boume Ultimatum"
"The Thomas Crown Affair"

の2作を観た.
ボーンの方は,もう何度も観ているのだけれど,
やっぱりかっこいいなぁ.
最近では,このシリーズがアクション映画としては
最高峰だと思う.

トーマスの方は,ボンドを演じたこともある
ピアース・ブロスナンのアマ~い魅力たっぷりな映画.
(それとルネ・ロッソのお色気)
なかなか洒落ていて面白かったなぁ.
英語が難しくてわからなかったけれど(笑).

ということで,今回は残念無念.
あまりいい映画に当たらなかった.
また映画を観る機会があるのは,いつのことか...