2010年10月25日月曜日

安藤忠雄氏特別講義 「夢に向かって走り続ける」

金曜日は,安藤忠雄氏の特別講義が大阪大学
吹田キャンパスで開催され,学生だけでなく教員にも
公開されるということだったので,喜び勇んで出かけた.
安藤氏は,雑誌などにも露出が多いけれど,
昭和時代の頑固オヤジという感じがして(失礼),
なかなかに面白いのである.

もう少し早く会場に着けるかと思っていたのだけれど,
出かける寸前に学生から質問を受けて,
もう開演時刻17:00のギリギリの到着となってしまった.

会場の大阪大学コンベンションセンター MOホールは,
収容人数は500人だというのに,立ち見が出ていて,
映像だけ中継される別のセミナー室に移される.
こちらは収容人数120人.こちらもほぼ一杯.
なんとか一席確保して座る.
後で知ったのだけれど,廊下を挟んだセミナー室も
使用されていて,これも一杯.
たぶん当日の聴衆は700人を越えたのではないか.

もちろんその多くは学生だったけれども,
教職員の姿もずいぶん多かった.
それより,なにより驚いたのは女子学生の数が多いこと.
吹田キャンパスにこんなに女子学生がいるなんて!
工学部,それも電気系建物付近をうろついているだけでは,
決してお目にかかれない光景である.

さて,安藤忠雄氏の講演.
タイトルは,「夢に向かって走り続ける」.
実は安藤氏は昨年も大阪大学(ただし豊中キャンパス)で
特別講義をされていて,そのときのタイトルが,
「夢に向かって走る」.
このセンスがいいなぁ...(笑)

内容は...やっぱり面白い.
バッサリと世の中の物事,人物を切っていく.
もう少し若い頃に彼の講演を聴いたら,
たぶん「ヤ」のつく業界の人かな,と思っていただろう.

いろいろな話題が出たのだけれど,
それらはこの記事の最後に適当にまとめておく.

中でも,東大の入学式で,3000人の入学生に対し,
6000人の親が来たことに苦言を呈したことが
昔新聞記事になっていたけれど,
本当は,親たちに会場を出て行ってくれ,と
言うつもりだったけれど,東大側から止められた,
などという裏話は面白かった.

まずは安藤氏は学生たちに自立を求めていた.
そして,社会のことを考えろ,と言っていた.
最後に,実行力.
安藤氏の実行力は,本当に突き抜けている.
もうマンガの世界のような話を現実にして,
いくつかのプロジェクトを実現しているらしい.
そうした実行力.
これについて,私は特に深く印象に残った.
(「生きるためのしたたかさ」についても言及されていた.
中国の人たちのしたたかさに比べ,日本の若者は
どうしたものか,という.私も激しく同意する)

安藤氏には,「自分で仕事をする」という夢があった,
そうである.
現在の若者たちはどんな夢を持っているのだろうか.
そして,中年の私もそうである.
どんな夢をこれから持つべきなのか.

ずば抜けた行動力を示す安藤氏の講演には
いろいろと考えさせられるところがあった.
また機会があったら,と思う.

#しかし,話術がうまいなぁ.
寝ている学生がほとんどいなかったものなぁ.


<以下,講演のメモ.興味のある人だけどうぞ>

・日本はお先真っ暗.いま聞いている学生の10人のうち
2,3人は目覚めて欲しい

・私は,「80年以降に生まれた人たちはみな,
海に捨てろ」と言っている.
豊かな日本が続くという幻想のもと,親たちが
子供を甘やかしている.
甘やかされた子供たちは本当にひどい.
「聞いている君たちのことだ」(会場,笑)

・1969年に経済大国日本と呼ばれるように
なったときからダメになった

・本田宗一郎,盛田昭夫など昔は素晴らしいリーダがいた
今はリーダになる必要はない.
個々人がそれぞれの責任を果たせばよい

・学生たちは「基礎学力」を身につけろ

・教養は広く,専門は狭く高く.
とにかく本を読め

・「知的体力をつけろ」

・「地球とともに生きている」

・「建築とは人が集まる場所を作る仕事」

・「自分の能力をかけて,人生を計画して欲しい」

・「大阪が好き.しかし,現在の大阪は...」

・「子供を可愛がりすぎて,自分の考えを押し通す
ばかりになってしまった」
->この話題についてはまた記事を書きたいと思う

・「好奇心が大事.昔の人たちの好奇心が今の日本を作った.
映画,美術館,博物館などにも足を運ぼう」

・「境界を越えて」

・「自立した個人」

・「大学は人生のスタートライン」
大学に入ったということは自分に責任を持つこと.
徹底して基礎学力を身につけろ

・「専門職を持って社会に貢献,それがアイデンティティー」

・「リーダーは勇気・決断力」

・「困難に立ち向かう力を」

・「独創力を高める.審美眼,鑑識眼,本物を見抜く力」

・「資源は無くなっている.頭脳だけが残る」

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