2010年12月17日金曜日

表紙に惹かれて本を買う:「グレン・グールドは語る」

CDのジャケットの写真に惹かれて
CDを購入することをよく「ジャケ買い」などというけれど,
今回は,「表紙買い」.
表紙の写真に惹かれて,本を購入してしまった.

「グレン・グールドは語る」
(グレン・グールド,ジョナサン・コット,
ちくま学芸文庫)

表紙には赤いセーターを着た若い頃の
グールドの写真.
目が繊細でなにか惹きつけられる.
ついつい手に取ってしまったのである.
(本の中に,日本での訳者がわざわざ
この写真を選んだという話が載っている.
まんまと制作者側の策略に載ってしまったわけだ)

薄い本で,内容は主に2つのグールドへの
電話インタビューをまとめたもので,
その他,コットによるグールドとのインタビューの
経緯が紹介されている.

以前にも書いたように,私は(も)グールドが大好きで,
彼の難解な著作も少しだけ読んだりする.
(内容はわからないけれど)
もちろん評伝なども読んだりする.
変人,かつ天才と言われた人物像は
やはり魅力的なのだ.

今回もさまざまな事柄に関する彼の意見が
述べられていて面白いのだけれど,
グールドの伝説として有名な
指揮者ジョージ・セルとのエピソードの
真相が述べられていて大変興味深かった.

セルがコンサートのリハーサル中に,
グールドが彼特有の低い椅子の足の高さを
長時間かけて調節していたら,
セルが「君のおしりをスライスすればいいのに」と
いって怒ってしまい,以来共演はしなかった.
しかし,その後もセルは彼をセルの手兵である
クリーブランド交響楽団には客演として
呼び続けたのだという.
そして,グールドの演奏を聴いてセルが,
「彼は変人だが,天才だ」
という有名な言葉を残した,という話である.

まぁ,話に尾ひれがついて広がっていく顛末は
本を読んでいただくことにして,
こうした芸術家らしいエピソードが
語られていた時代がうらやましい,とつくづく思う.
最近の演奏家たちは皆スマートで,
こうした話をあまり聞かなくなったような気がする.
(単に私が,レコ芸とか音友とか読まなくなった
だけかも...)
でも,こうした話は芸術家の人となりがわかって,
面白いんだよなぁ...

人にもぜひおすすめしたい本なのだけれど,
欠点がひとつ.
大変薄い本であるにもかかわらず,
価格は1100円.
レジで値段を聞いて驚いた.
なんとかなりませんか,出版社様...

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