2011年5月10日火曜日

再生可能エネルギー導入のためのコストはどうなるのか

昨晩,車で帰宅する途中,
ラジオを聞いていると,
自然エネルギーに詳しいという専門家の人が
出演して話していた.

自然エネルギーがどれだけ不安定なものか
という話になるのかと思ったら,
あと10年で自然エネルギーを総発電量の
30%にすればよいなどと話しているのを聞いて,
ずっこけてしまった.
まぁ,NEDO並の目標ではあるけれど,
それで電力系統の安定が保てると
思っているのだろうか.
本当に自然エネルギーの専門家なのだろうか?

そもそも「自然エネルギー」と称しているのが不正確だ.
太陽,月,地熱の力を利用したものが
自然エネルギーだと言っていたけれど,
化石エネルギーだってもともとは太陽エネルギーである.
太陽や風力は再生可能エネルギーと呼ぶべきではないのか.

ドイツを引き合いに出していたけれど,
ドイツは原発を停止したためにどのような事態に
なっているのか,知らないわけではあるまい.
原発大国のフランスから電力を購入しているのである.
もちろん,それは電力が安いからである.
今後のエネルギーの確保のために,国民には
さらに新たな負担が加わるといわれている.

またその専門家は,10年で25%の
「無理のない」節電が可能だと言っていた.
また,最新の技術を用いれば
家庭の消費電力を1/4に減らせるとも.
それは技術的には可能かもしれない.
しかし,それにかかる費用は膨大なものになる.
それを誰が負担するのか?
経済がそれでシュリンクしていくことへの
責任を誰がとるのか?

浜岡原発の停止によって,
1日で中部電力の株価が大幅に(1400億円?)下落したけれど,
それで「いい気味」と思っている人には
そんなことは関係ないかもしれない.
しかし,経済への影響は不可避なのである.
もしも東電管内で電力料金が20%程度上がったら,
(16%位との報道があったが)
東電管内の経済がどのように変化するのか,
注目しておきたいと思う.

一方,本日の朝日新聞に掲載されていた,
早稲田大学の林 泰弘教授の意見は
至極妥当なもので,再生可能エネルギーの
大量導入によって,周波数と電圧の安定が
損なわれる可能性をちゃんと説明されていた.
将来のエネルギーの導入量は,
たとえスマートグリッドの技術が普及したとしても,
電力貯蔵装置(蓄電池)の量によって決定されるとも
説明されていて,ようやく普通のことを言う専門家の
意見が採り上げられていて,ほっとした.
林先生は,今後蓄電池に関する技術革新が起こると
予想されていたけれど,それについては不明である.
残念ながら,不確実なことを期待して
ぞれに依存した計画を立てることはできないのである.
(もちろん,それが起これば変更できる計画を
立てることは可能だ)
また,各家庭の電気自動車のバッテリを利用するアイデア
(これはV2Gと呼ばれている)も紹介されていたが,
そのためには,充電器を双方向電力変換器にしなければ
ならず,またその制御のためにインフラの整備が必要で,
それは研究開発を進めていかなければならない技術だけれど,
残念ながら,この5~10年では実現しないと思われる.
(10年後であっても,プラグインハイブリッド車でさえ,
導入量は20%程度だろう)

なんとか電力をやりくりしていくこと,
そして再生可能エネルギーを導入していくこと,
それは将来にとって不可欠なのだが,
拙速な導入は避けるべきだと思う.
ヨーロッパでも,フィードインタリフのために
電力料金が高くなっている.
再生可能エネルギー導入のためのインフラ整備に
要する費用も膨大である.
これらがすべて,税金か電気料金に加算されるかと思うと,
ため息が出てしまうのである.
こうした方針で,いつもしわ寄せがくるのは
社会的弱者なのである.

1 件のコメント:

  1. こんにちは
    今日は珍しく風邪をひいてしまって、家で休んでいます。

    V2Gに関して僕はあまり詳しくないのですが、
    もしEVやPHEVのバッテリを再生可能エネルギーの出力変動を抑えるために充放電を繰り返せば、
    バッテリがすぐにヘタってしまうのでは?とか思ってしまします。
    (そうならないようにバッテリの80~90%の範囲くらいで出力変動を抑えるという話も聞いたことがあるような、ないような。)

    どう利用するにせよ、僕らが小学生のころに未来の乗り物として科学博物館で紹介されていた「リニアモーターカー」が実現されているのですから、
    ポジティブに頑張っていこうと思います!

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