2011年7月13日水曜日

コジェネ普及の鍵は

CO2削減の高効率な発電システムとして,
コージェネレーションシステム(コジェネ)が注目を浴びている.

コジェネとは,主に化石燃料を使用して原動機を駆動し,
電力を発電するとともに,原動機の排熱を利用して,
冷暖房や給湯などの熱需要に熱エネルギーを供給する
システムである.
熱電併給などと呼ばれる.

原動機としては,ディーゼルエンジン,ガスタービン,
ガスエンジンなどが産業用に従来から使用されてきたが,
最近では家庭用で燃料電池を用いる場合
(エネファームと呼ばれるようなシステム)も増えている.
ずいぶん身近な存在になってきた.

コジェネのメリットは,まず需要地で発電できるため,
現在のように遠隔地で発電した電力を都市部に
送電するのに比べ,発電ロスを低減できることである.

もちろん,熱エネルギーも供給できるので,
総合的な効率が改善できることが魅力である.
総合効率は,たとえば家庭用燃料電池コジェネ
の場合,
60%を越えるものもある.

しかし,ここには盲点があって,
この高い総合効率は,排熱が高い効率で
利用される前提で計算されていることに,
注意しなければならない.

総合効率というのは,一般的に発電効率と
排熱利用率を足しあわせて計算される.
すなわち,

(総合効率)=(発電効率)+(排熱利用率)

となる.それぞれの効率は,

(発電効率)=(発電電力量)/(燃料消費量)

(排熱利用率)=(排熱利用量)/(燃料消費量)

と計算される.
(アメリカでは,排熱利用量を0.5乗する場合もある)

燃料電池システムでは発電効率は30%を越える程度だから,
排熱利用率も30%を越えないと,総合効率は60%を
越えないことになる.
したがって,総合効率を高めるためには,
どれだけ排熱を効率よく利用するかにかかっているのだ.

しかし,そうした熱需要がどれだけあるのだろうか.
特に家庭用コジェネでは,熱需要がなかなか無いのが
悩みの種なのである.
ヨーロッパやカナダなど,暖房などの給湯需要が高い場合には
コジェネはたいへんに威力を発揮する.
しかし,日本,たとえばこの暑い大阪などでは,
残念ながらそうした熱需要は低い.
家庭用コジェネでもお湯を作って貯湯槽がいっぱいに
なってしまうと,発電を止めてしまうようになっている.
現在はコジェネで発電した電力は,太陽光発電と違って,
余っていても電力会社は買ってくれないが,
買ってくれるようになっても,お湯が一杯になってしまったら,
もう発電できないのである.
(お湯を捨ててまで発電するというのは,本末転倒である)

比較的低容量のガスエンジンコジェネがよく導入される先は,
病院,スーパー銭湯,ラーメン屋というのもわかる.
日本はコジェネには暑すぎる国なのである.

とはいえ,震災後,コジェネの需要はたいへんに高まっている.
家庭では難しいかもしれないが,ビルなどでは
冷房に熱エネルギーを使用することもできる.
また近所の家庭間で熱エネルギーも融通できれば,
さらに利用度が高まるだろう.
今後,どのように排熱を利用するか,そのアイデアが
コジェネの普及を決めるに違いない.

太陽光,風力発電などの出力変動補償に
出力制御可能なコジェネを利用するアイデアも出てきている.
魅力はさらに増すだろう.

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