2012年2月21日火曜日

油断を恥じる

実は先週の金曜日の夕方,太ももをひどく打撲して,いまだにうまく歩けない.金曜日の夜には左太ももが右の1.5倍まで腫れ上がり,とうとう足が曲がらなくなっていた.でも右足でなくて良かった.とりあえず車を運転して帰宅することができたから.

今回の打撲は,全くの私の油断である.本当に恥ずかしい.武道を稽古しているものとして(最近はかなり稽古量は少ないが)あってはならないことである.

池波正太郎の「剣客商売」の話に,主人公 秋山小兵衛の同門の兄弟子(だったか,弟弟子だったか)が不意打ちで殺されてしまうものがあった.それも剣ではなくて,縄におもりをつけたようなものをひっかけられて身動きを不自由にしてから殺されたのではなかったか.確か酒に酔っていたということだった思う.

秋山小兵衛は,不意打ちをした賊を怒るのではなく,油断があったその兄弟子に腹を立てるのである.「なんと情けない」と残念がる.これぞ武芸者の思いなのだろうと思う.

自らを省みれば,やはり「なんと情けない」と恥じる以外にない.もう少し,心の修行に精を出すことにしよう.

現在はようやく足も曲がるようになってきた.ゆっくりではあるけれど歩くこともできる.このつらさを忘れずに,修行に励むことにしたいもの.早く,足よ治れ,と祈るばかり.

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