2013年7月11日木曜日

「黒井ミサ」待望論

この数年,魔法少女と言えば,「まどか☆マギカ」となるのだろうけれど,私の世代にしてみれば,それは「ミンキーモモ」であり,「クリーミーマミ」あたりになるのだろう.もちろん,「魔女っ娘 メグ」「花の子 ルンルン」なんてシリーズも含まれる.いつの時代も,少女たちの夢を背負って魔法少女は活躍している.しかし,私が最も印象深い魔法少女といえば(いや正確にいえば魔女なのだけれど),それは「黒井ミサ」である.古賀新一の漫画「エコエコアザラク」のヒロインである.

黒井ミサは残念ながら明るい幸せの魔法を使うのではない.悪魔を召喚して人に災いをなす黒魔術である.それも,ときにとっておきの残忍な黒魔術を使う.その魔術をかけられた相手は,料理になったり,魔法手術を受けたり,とんでもない結末を迎える.当時少年チャンピオンに連載されていたのだけれど,それを読んだ小学生の私は,かなり怖い思いをした覚えがある.(余談だけれど,当時並行して藤子不二雄の「魔太郎がくる!」もチャンピオンに連載されていたと思う.どちらも魔法・魔術をかけられた相手はひどい結末を迎えていて,多くの子供はそれがトラウマになったに違いない.現在ではとてもそんな話は掲載できないだろうと思う.おそるべし,当時のチャンピオン...)

黒井ミサは設定では女子高生(最初は中学生?)なのだけれど,実際何歳なのかは不明な底知れなさを持つ.顔が暗く,サタンや魔女の格好をしたときの不気味さは,古賀伸一の画力を感じさせる.それでもときどき「お笑い」の回もあったりして,ギャグを飛ばす黒井ミサは意外に可愛かったりする.そこが魅力のひとつなのである.たぶん続編も何度か製作されている.

一方,エコエコアザラクは映画やテレビドラマにもなっている.映画は,吉野公佳主演で2本,その後佐伯日菜子で1本.あとも加藤夏希などが主演で映画(もしかするとドラマ?)が作られている.でも私がオススメするのはなんといってもテレビドラマのエコエコアザラク.それも上野なつひバージョンではなく,断然,佐伯日菜子のシリーズである.

佐伯日菜子という人は,少し日本人離れした顔立ちの美人で(最近,離婚の報道があって心配してますが),「毎日が夏休み」という映画では本当に愛らしい女子高生を演じていたのだけれど,このエコエコアザラクでは哀しみを背負った魔女である女子高生を演じていて,影のあるその顔立ちがまさにぴったりな当たり役だったのである.

深夜に放映されていたドラマだけあって,内容はとことん暗い.父と母は人形にされ,最愛の妹アンリも邪教集団に利用されて最後には命を落とす.本当に悲しいエピソード満載なのである.シリーズ途中に挿入された,ミサが魔女になる前の幸せな家庭のエピソードふたつが,だからこそたいへん痛々しく感じられるのである(因みにお父さん,お母さんは「帰ってきたウルトラマン」の団時朗と榊原るみ).そして,救いは無い.まさに私好みのストーリーだった.

最近は漫画の連載はされていないのだろうか.今のような閉塞感に満ちた世界にこそ,黒井ミサが活躍して欲しい.多くの人が,どす黒い欲望と漠然とした不安,恐れを感じている世界.その人々の心を汲み取って具現化してくれる彼女の再来を望んでいる.どこまでも暗く,どこまでも救いのない魔女の物語.そんな物語を私は待ち望んでいるのだ.

<私が好きなものシリーズの続きです>

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