2017年10月19日木曜日

かもめ食堂ふたたび

映画「かもめ食堂」を再び観た.

前に観たのは2006年3月.公開初日に梅田のシネ・リーブルだったかに観に行った覚えがある.どの回も満員で,仕方なく夜の9時過ぎの回を観た.若い女性で一杯だったけれど(もちろん私は独り),そのときはヒットするなんてあまり思わなかった.面白かったことは面白かったのだけれど,ほのぼのとしたハートフルドラマという感じでそんなに派手な映画じゃないし,まだ小林聡美の人気もそれほど高くはなかったから(この映画で大変な人気となったけど).

そのときは,小林聡美演じる主人公「さちえ」に共感したものである.フィンランドという異国の地に,足をつけてしっかりと毎日を生きている彼女が素敵にみえた.あんな生き方をしてみたいなんて思った.

それが今回心惹かれたのは,もたいまさこ演じる「まさこ」である.彼女は20年の両親の介護を終え,なぜかフィンランドにやってきた女性.しかし,やってきたものの空港に荷物が届かず,かもめ食堂でしばらくお世話になるという設定.「さちえ」から,届かない荷物の中に「たいへんですね,だいじなものも入っているでしょうに」と言われて,「だいじなもの...」となにが入っていたかを思い出せないような仕草をみせる(セリフうろ覚え).今回いちばん心に残ったのはこのシーン.自分の大事なものってなんなのか.この問いへの回答って結構むずかしい.彼女の両親介護の生活の中で大事なものはなんだったのか,考えてしまう.そして,彼女はボーッとするために森に行き,きのこ狩りをする.そこで彼女の何かが変わったような気がする.彼女は主人公やもうひとりの中心人物である片桐はいりの役と異なり,この映画の中で人生の転機を迎えることとなった.そういえばこの映画では彼女だけに不思議な事が起こる.監督も彼女に特別の思い入れがあったのかもしれない.

そんな彼女たちが素敵に生きている映画.なんどみても元気が出てくる.いまならヒットしたのもよく分かる.ときどき思い出したように観たくなる映画である(風景も本当に素晴らしいし).

この映画のあと,片桐はいりはこの映画の撮影について本を書いている.よっぽど楽しかったのだろう.その楽しさが画面からあふれているような気がする.

#ちなみに私はコピ・ルアックのコーヒーはまだ飲んでいない

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