2017年4月5日水曜日

なにをみても,なにかしら心が動く

映画には,忘れられない傑作もあれば,忘れたくなる駄作もある.たしかに観終わったあとに「時間の無駄だった」と思う映画もあるけれど,そんな映画であっても,どこかしら,そしてなにかしら,心に残るものがあると私は思っている.

どんな映画にもメッセージがある.そのメッセージを強弱は別にして私たちは受け取っているはずなのである.大げさに言えば,人生が変わるようなメッセージもあっただろうし,受け取ったメッセージをすぐに忘れてしまっているということもあるだろう.でもそれは強弱・深浅の違いであってメッセージを受け取っていることには変わりがない.

村上春樹は,自分の小説を読んだ人がほんの僅かでもいいから心が動くようであればうれしいみたいなことをどこかに書いていたけれど,映画も同じである.往年のドイツのソプラノ歌手エリザベート・シュワルツコップは,「リート(歌曲)を聴く前と聴いた後では,その人の人生が変わるようなものでなければならない」と言ったというけれど,そこまで求めなくても,映画は人の人生を変えるようなポテンシャルがあると私は信じている.

もしかすると次に観る映画が私の人生を変えるかもしれない.私の心をどこかへ動かしてくれるかもしれない.そんな期待を胸に映画館に足を運ぶのである.

#そもそも映画を観ているときは,人は変性意識状態にあるから,無意識に直接働きかけ易いはずなのである.

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