Hesher (「メタルヘッド」)感想: 謎のヘビメタ男はキリストなのか
2月末で,卒論,修論の提出も終わり,また抱えていた締切もすべて間に合って,少し先週末は時間ができた.そこで,自分へのご褒美として,DVDを見ることができた.観たタイトルは, " Hesher " (邦題「 メタルヘッド 」,2010,監督:スペンサー・サッサー,出演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット,ナタリー・ポートマン他) まず観て思ったのは,「いいなぁ.こんな映画が作れるなんて,まだまだアメリカの映画界も底力があるなぁ」ということ.とにかくクレージーで馬鹿馬鹿しい.決してコメディーだけというわけではないが,楽しい.そして少し泣ける.映画としては,現代の癒しの形を示しているのではないかと思う.内容としては, 母親を交通事故で亡くした中学生(?)(名前はT.J.)と父親が喪失感から立ち直れないでいるとき,ヘッシャーがやってくる.彼はヘビメタ男.やることなすこと,常識外れ,クレージー,いかれている.そんな彼にふりまわされて,T.J.と父親は混乱の毎日を送ることとなるのだけれど,彼らの生活にもやがて変化が訪れて,再生に向かい始める.そして,ヘッシャーはどこかに去っていく. という話なのである.あらすじを書いていても全然この映画の魅力が伝わらない.とにかく,観ることでしか伝わらない雰囲気がこの映画にはある. ジョゼフ・ゴードン=レヴィット は, インセプション で観たときからファンになってしまったのだけれど,この映画では,謎の長髪刺青ヘビメタ男,ヘッシャーを演じている.またこれがいいんだなぁ.彼が芸達者なことがよくわかる.役者臭さを感じさせずに,怪しい男を演じている.またまた彼のファンになってしまった. 途中,T.J.が憧れる地味なレジの女性は, ナタリー・ポートマン が演じている.意外だけれど,またこれがいい味を出している.今回,彼女はこの映画のプロデュースに参加したらしい.彼女もこの映画を愛しているのだろう. 内容としては,母親を亡くした喪失感に苛まれる家族の再生の話なのだけれど,ヘッシャーはある意味,神様なのだ.もっと言ってしまうとヘビメタ男になったキリストなのだ.その思いを強くしたのはDVDのメニュー画面.落書き風のイラストで,たぶんヘッシャーの手のひらが描かれているのだけれど,その両手のひらには聖痕が確かにあった....