2019年8月27日火曜日

フィールド・オブ・ドリームス

関西の行きつけのレンタルDVD屋さんでずっと探していても見つからず,店員さんに尋ねてもこのタイトルが見つからなかった(そもそも店員さんもこの映画を知らなかった)のだけれど,数年前に観ることができた映画.先日,来年のメジャーリーグの公式戦(White Sox, Yankees) がその球場で開かれるというニュースを知り,またまた観たくなった.

フィールド・オブ・ドリームス(1989)(監督 フィル・アルデン・ロビンソン)

数年前に観たときの感想がこれ.

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"Field of dreams"を観た。最後の父親とのキャッチボールに涙腺がゆるむ。「ここは天国か?」というセリフが何度か出てくる。「天国とは夢が叶う場所」という定義ならば、この世にそれを実現することも出来る。野球は「善」の象徴だ。自分が野球に郷愁を感じる世代でよかった。

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この映画をずっと観たかった.歳を取るにつれ純粋な気持ちを忘れているような気がしていて,この映画はそれを思い出させてくれそうで,ずっと観たかった.私は涙を流すことはほとんどないのだけれど,それでも最後のシーンでは少し涙腺が緩んだ(結局涙はでなかったけれど).

まず,ケビン・コスナーがいい.彼はまだ若く,田舎の気のいい兄ちゃんレイをぴたりと演じている.そんな彼がある日,とうもろこし畑の中で「それをつくれば,彼はやってくる」という不思議な声を聞く.父親のように年齢に負け日常に埋没していく生活を嫌って,その声に従ってとうもろこし畑を潰して野球場を作ってしまう.それから彼の生活が変わっていく.

次に奥さんがいい.「ストリート・オブ・ファイヤー」のマッコイ役の女優だ.ここではレイを支える素敵な奥さんを演じている.謎の行動をとる彼を責めることもなく,一緒に野球場をつくる.

そしてとうとう彼らがやってくるのだ.とうもろこし畑の向こうから.なんという素晴らしいファンタジー.アメリカ人は野球が本当に好きなのだと感じさせられる.大選手の中に混じって,ケビンの父親もやってくる.レイとの関係に問題を残したまま父は逝ってしまった.その心の穴を埋めるシーンがある.

「父さん,キャッチボールをしないか」
ぎこちなくレイが若いままのレイの父親に問いかける.
「ああ,しよう」
そして二人はキャッチボールをするのだ.

父子のキャッチボールほど親子関係を感じさせるものって,そうそうないのではないだろうか.私は父との思い出は少ない方だけれど,やはりグローブを買ってもらって一緒にキャッチボールしたことはよく覚えている.うれしかったな.残念ながら,私の息子は嫌がってしてくれなかったけれど.

「野球」と「父子」.アメリカが「善きこと」として考えるファンタジーが,この映画で結実している.今もこの映画はアメリカのテレビで何度も放映されているのだという.みんな大好きなのだ.

映画のあと,いろいろな活動があって,映画が撮影されたその球場はずっと保存されていたのだ.そしてとうとう本当にメジャーの選手たちがそこにやってくる.そのとうもろこし畑は本当に夢が叶う場所となったのだ.

試合が行われる夜.やはり遠くからくる車が連なって,ライトが星のように並ぶのだろうか.そのひとつの星になりたい.

2019年8月10日土曜日

図書館の本のセレクション

ある雑誌のバックナンバーが読みたくて,長岡市中央図書館に行った.長岡に越してきて初めて市立図書館に行ったことになる.

残念ながらその雑誌は配架されていなかったのだけど,どのような本が並んでいるのか気になって少しだけ本棚の前を歩いてみた.

まず小説系の冊数が少ないような気がした.岩波文庫などのコーナーはあるのだけど,私が好きな現代の海外小説のコーナーが本当に狭いスペースに限られていた.私の好きなレイモンド・カーヴァーの全集もなかった.ちょっとショック.また日本小説の並びも,どうも私にはしっくりとこない.ちょっと気分が沈んできた.自分が読もうとする本が少ないということにこんなにも失望するなんて自分でもびっくりする.どうせ自分には本を読む時間なんてほとんど無いのに.

こうやって考えてみると,図書館も街の書店と変わらないのかと思う.結局のところ,書店の店主の趣味で売る本を決めているのと同じく,図書館も図書館のスタッフが配架する本を決めているのだから,その店主あるいはスタッフとの相性というものがあるのだ.もちろん長岡の図書館の本のセレクションの趣味にあう人もいるだろう.ただ私との好みの領域がオーバーラップしていないということなのだ.

とはいえ,検索システムで見る限り,池澤夏樹の世界文学全集も,チャトウィンのソングライン(実はもってるけど),レドモンド・オハンロンのコンゴ・ジャーニーなどの紀行小説,そしてなんといっても私が登らなければ行けない山脈として考えているガルシア・マルケスの全集などはあるらしく,これだけで数年はつぶせるほどの蔵書はあるようで楽しみは楽しみなのだけれど.

なんどもいうけど,読む時間なんてほとんどない.それでも蔵書があるということで安心する.これは,私の本棚の積読された本と同じ心理的効果なのだろう.いつか読めるという安心感,それを与えてくれるだけで図書館の存在はありがたい.

#新耳袋,ゴーストハントなどの怪談ものも私の好物.図書館においてあるのはほんとにうれしい


マンガ、アニメ、ゲームの擬人化に思う(3)~刀剣乱舞~

 以前、京都の名刹「大覚寺」を訪れたときに、玄関に男の子のポップが立っていて大変に驚いた。だって、「大覚寺」みたいに格式の高い寺社にアニメのポップが立っているなんて!ご朱印帳も以下のとおりである。 御朱印帳も膝丸エデション 「霊場」という言葉に不似合いな感じもするけれど... で...