あー,この曲なんだっけ?: ハイドン「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」
TV番組などをみているとBGMが流れていて,「あー,この曲なんだっけ?」と思うことがしばしばある。それがわからない間はしばらくモヤモヤが続くのだけれど,わかったときのスッキリ感は心地いい。日常の中でこうした小さな幸せはうれしいものである。 最近,「美食探偵」(お気に入りのドラマなんだけど)で流れていた弦楽四重奏曲の作曲者と曲名がわからずずっとモヤモヤしていた。今日もなにかあるとふとそのメロディーが脳内に流れてきて,「あー,この曲なんだっけ?」とストレスがたまるということになっていた。 最初,疑ったのはシューベルト。「死と乙女」かな,と思ったのだけれど,ちょっと違う。 次に疑ったのは,ヤナーチェク。弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」,第2番「ないしょの手紙」。しかし,ネットで確かめてみるとやっぱり違う曲だった(この2曲も私のお気に入りなんだけど)。 モーツァルトではないし,ベートーベンぽくも無い。ドボルザークでもチャイコフスキー,メンデルスゾーンでもない。古典的なハイドンでもないし... いや,まて。ハイドン.... そして突然ひらめいた。ハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」だ! やっとわかった。ふーっ。 頭の中のCPUのバックグラウンド負荷が終了して,急にクールダウンしてきた感じ。幸せ。 この曲は,生演奏にもふれたことがある。もう20年近く前?水戸芸術館で水戸カルテットの演奏だった。夏で大変暑く,コンサート会場に入るとクーラーが効いていてひんやり。気持ちよくなって,演奏のさなか,なんどかウトウトとしてしまったのを覚えている。また長いんだなぁ,この曲が。 キリストのエピソードにちなんで曲が作られていて,最後は槍で命を絶たれ,地震が起きたところで曲が終わる。ハイドンらしくないストーリー性の高い作品である。 とにかく,ホッとした。「美食探偵」の悪役はマグダラのマリアを名乗っているから,この曲が選ばれたのもわかるような気がする。最初の導入部の緊張感が作品にあっている。 こんなふうに思い出せないことをふとしたきっかけで思い出すのは,誰を幸せにするわけでもないけれど,私の大事な小さな幸せであることは間違いない。ただ,一度気になると,ずっと気にし続けてしまうのが困りものな...