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電気工学者がやらなければならない仕事は山ほどある

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昨日は,広島大学で開催された 電気学会 電力技術・電力システム技術合同研究会に参加する. 3日間開催されているのだけれど, 残念ながら都合により,中日だけの参加. 申し訳ない. 今回は分散電源(太陽光発電とか風力とか)の セッションと研究室の学生が発表した 系統安定化制御のセッションに参加したのだけれど, どちらも結局分散電源の話である. 日本の電力系統が直面している問題は, 将来予想される分散電源の大量導入に対して, どう立ち向かうかということにある. たとえば各家庭に太陽光発電が設置されたとすると, 基本的にその発電電力は電力会社は制御できない. 電力会社の重要な仕事のひとつは, 発電電力を負荷電力に一致させるように 制御することだから,それができなくなることになる. そのような場合,発電電力が負荷電力を上回り, 余るような状態になると,周波数が上昇してしまう. 60Hzが60.2Hzとか60.3Hzとかになってしまう. もちろん,逆に不足する場合は周波数が下がって, 59.8Hzとか59.7Hzとかになってしまう. 誤差が0.2Hzを越えたぐらいから, あちらこちらの工場で問題が起こるといわれているから, 電力会社が困ったことになる. 電力会社は周波数を見ながら,その発電電力を 調整するのだけれど,電力はすぐに調整できるとは 限らない.ある程度の時間遅れがあるのである. 一方,たとえば風力発電の大規模なファームが あって,通常,原発の1/2基分くらいの発電量が あったとする. しかし,それが急に風が止んで 発電量がゼロになったらどうだろう. 系統からみたら,原発の半分が急にダウンしたような 状況になる. 制御が追いつかない... ようやく発電電力が増え始めたと思ったら, 急に風が吹いたりなんかして,電力がすごく 余るようなことになってしまう. ちょっと考えただけでも大変なのである. (その他,配電線の電圧が上昇してしまう問題とか, 雷などで電圧が少しの間小さくなるだけで, 大量の太陽光発電や風力発電がストップしてしまう問題とか, 事故が起こっても電力を送り続けてしまう問題とか, とにかく一杯課題があるのだ) そうした課題を解決していくのが, 私たち電気工...

マトリックスコンバータの行く末は

昨日は,九州の安川電機の工場に 電気学会の調査専門委員会の見学会に 参加させていただいて, お邪魔させていただいた. 安川電機といえば,汎用インバータで 世界第1位を占める大手メーカであるけれど, マトリックスコンバータを世に先駆けて 製品化した企業としても知られる. 今回の見学会は主にマトリックスコンバータに 関するものであった. (上記調査専門委員会がマトリックスコンバータの 調査を目的としたものなのだ. 実は私は委員ではないけれど,今回は 参加させていただいたのである) 素晴らしい製品の数々を見学させていただき, そこに集積された技術の深さを思った. 大変勉強になった. マトリックスコンバータは,1980年代初頭に 明確な形で示されて以来, 世界中で研究が進められているのだけれど, 今ひとつ市民権を得ていない. 昨日の見学会や打ち合わせでは, このマトリックスコンバータをさらに普及するには どうしたらよいのかという議論になった. (これがそもそもの調査専門委員会のテーマらしい) そこで話題になったのが, マトリックスコンバータには教科書が無く, それを議論する研究者,技術者に共通の基盤が無い, というものである. つまりは,マトリックスコンバータは確かに 交流/交流直接変換を行うので, メリットがありそうだけれども, それがいまひとつはっきりしない. また,制御方法が複雑で理解しにくい. などの理由がその普及を妨げているのだ. ユーザとしては,やはり使用している装置を 理解したいと思うのは当然である. しかし,マトリックスコンバータは まだカーテンの向こうにあるのだ. 制御法もいくつも提案されているが, 回転や振動する空間ベクトルをもとに 出力を制御するために,やはり複雑になってしまうのは 仕方がない. しかし,そこがわからないとなにかしら不安で, ユーザは導入をためらってしまうのだ. 安心できない,というべきか, 「腑に落ちない」というべきか. 通常のインバータならば,どうやって動作するかは パワエレの技術者であれば理解しているので, ある程度安心して装置の導入が可能となる. しかしカーテンの向こうにあるマトリックスコンバータは どこか腑に落ち...

男ならば...~「銀河鉄道999」にみる「男の美学」

少し前の話になるけれど, 私が23時すぎに帰宅しても, 我が家の子供達が起きていて, 熱心にテレビを見ていた. NHKの衛星テレビで 「銀河鉄道999」の過去のTV放送分を まとめて4日間20時から24時まで 放送していたらしい. 子供たちは首ったけで観ていた. 私ももちろんこのアニメは大好きで, もともと大学時代には,文庫版を 全巻持っていたし,ハーロックも エメラルダスも,千年女王も好きだった. 松本零士が好きなのだ. 彼が描く物語には,今ではすっかり 忘れ去られてしまった昭和時代の 男の美学がある. (そして女はどこまでも愛情深く優しい) 例えば,銀河鉄道999の「時間城」に 関わるエピソード. 酒場の男たちが,時間城に出かけていった 鉄郎の噂をしている. (詳細はうろ覚えです) 「あいつはどうしているのかな」 「もう伯爵に殺られてしまっているかもしれないぜ」 そこで後ろの壁に向かって酒を飲んでいる いわく有りげなマントの男がつぶやく. 「いや,あいつは死なない. なぜならば,あいつは男だからだ」 ??? 鉄郎が死んでいない理由は, 「男だから」なのである. 全く理解出来ない(笑). (ちなみにマントの男は,もちろんハーロック) また「男おいどん」を思わせる パンツを押入れに山積みしている 漫画家志望の男(さすがにサルマタケは生えていなかったが)の エピソードでも,鉄郎が涙を流すと, 「男がこんなことで泣くな」 と言われる. 「男」であることが,行動の規範となり, 評価の基準だったのである. 現在のアニメや漫画ではとんと見かけない. はっきり言って,いまでは「流行らない」のである. それどころか,今そんなことを言っていたら, 女性から嫌われるかも. しかし,私はこの昭和時代の「男の美学」が好きなのである. それは「強さ」であり,「優しさ」であり, そして「やせがまん」なのである. 見た目は関係ない(ここに強く惹かれているのかも(笑)). その象徴が,「鉄郎」であり,「トチロー」であるのだ. (そして女の優しさの象徴が「メーテル」) 松本零士の美学は,「コクピットシリーズ」などの 戦場もので,とくに明確に現れている. 今では全く流行らないこの美学を 子供たちと一緒になってアニメを観ていて 思い出したのである. あぁ,私も今からそれを取り戻すことが出来るだろうか....

アメリカ・ホテル空調事情

アトランタでは,昼間は気温が30度を 越えるので,ホテルの部屋では冷房を 使用する. ECCEの会議の各部屋は, 異常に冷房が効いていて, 半袖でいるとブルブルと震えが 来るほどであった. 過剰な冷房の中, 電力の変換効率の向上の技術について 議論しているのだから, ずいぶんとヘンだ,などという話が, 会議場のあちらこちらで聞こえたものである. 私の泊まったホテルは,会場でもあるHiltonで, もちろん部屋には空調が装備されている. しかし,アメリカも少しは変わったな,と 思わされたのが,空調のスイッチ部に サーモスタットを用いたコントローラが付いていた ことである. 別に複雑な制御をしているわけではない. ある希望温度を設定し,それより十分に 部屋の温度が低くなった場合, 空調の電源を切り,その温度を越えた場合 空調の電源を入れるというものである. すなわち,単純なオンオフ制御. しかし,これだけでも昔はなかった. 少しはホテルも省エネをしはじめたということか. ただし,空調はあくまでもオンオフ制御なので, たぶん100%出力運転か,運転停止かの 二つの状態しかできない. これは温度の細やかな制御を行うという点からは, あまり良いものではなく,一般に温度制御に対して 効率は悪いといわれている. 日本では,ホテルもずいぶんインバータ制御方式の 空調に切り替えられていて,ずいぶんと省エネが 進んでいる. インバータ制御方式だと,設定温度に対して, 室温が離れていれば,出力を大きくして 急速に冷房が効くようにし,反対に 室温が設定温度にちかづいてくれば, 出力を低くして室温を一定に保とうとする制御が 可能となる. 日本での家庭用エアコンはインバータ制御方式が, ほとんど100%に近い割合で採用されているが, アメリカでは,その多くがインバータ制御方式では 無いらしい. 強烈に冷房を効かしていても,おかしいと思わないのも 無理はない. しかし,いつかきっと省エネのために 日本のようなインバータ制御方式のエアコンに 置き換わっていくに違いないのである. さて,ホテルの部屋では,空調の音がうるさいので, また夜はそれなりに涼しいので,私の部屋は, 空調の...

荷物は届かなかったばかりか,破損したらしい

昨日,とうとう荷物は届かなかった. 結局,私が帰国するときに乗ってきたフライトで 荷物は関西空港に夕方着いたのだろう. だから,今日午後に自宅に届いているはずである. 実は,月曜日にデルタ航空から電話があった. 「荷物は届きました.しかし... スーツケースのキャスターがひとつ壊れています」 そして, 「大変申し訳ないのですが,スーツケースの外部にある キャスター,ハンドル等は補償範囲外になっております. お客様,旅行保険などには加入されておりませんでしたか? そちらにご相談ください」 との話. なんと,ひどい. 確かに空港でバッグを渡すときには, キャスターは全く問題なかった. なのに,どこで壊れたというのだ! (もちろん,荷物を運ぶ人が乱暴に荷物を投げつけて 壊したか,あるいは運搬機械のどこかで壊れたのだろうけれど) ここまではっきりしていて, 航空会社は補償しないということを 今回初めて知った. そういう条項があるらしい. (というか,キャスターは「消耗」として 扱われるらしい.ひどい!) 以前,アリタリア航空でキャスターを壊されたときは, もっとひどい対応だったけれど, デルタ航空もこうしたときにはひどい. 自分たちで壊しておいて,自分たちでは補償しない ことになっているなんて... それでいて破損の証明書はデルタ航空は ちゃんと発行するのだという. なんか,釈然としない. 壊した人が弁償するのが当たり前のような気がするが... とにかくまだ破損の状況を確認していないので なんともいえないが, 海外保険会社に相談することになるだろう. バッゲイジロストに加え,破損とは... 運が悪いなぁ. 日頃の行いの悪さが原因だろうか...

帰国.しかし荷物は...

ようやく家に辿り着いた. ノックスビルのホテルを出発してから およそ28時間かけて帰宅したことになる. アトランタやノックスビルと日本との 時差は13時間. つまり経度でいうとおよそ地球の 反対側から戻ってきたということだ. 飛行機は次々と遅れ, それでも関西空港には予定よりは1時間程度の 遅れで済んで到着して, 今回はなにもトラブルが起こらず, やれやれ,と思っていたのだけれど, Baggage Claimで,一緒に出張した K先生と待っていると,ホールに 私とK先生の名前を呼ぶアナウンスが流れた. やっぱり... 荷物が届いていなかった. 今回のフライトの乗り継ぎは, ノックスビル -> アトランタ アトランタ -> シアトル シアトル -> 関西空港 ということで,アトランタ-シアトル便が 1時間遅れたのだけれど, なんとその機体をそのまま シアトル-大阪便に使われているということで, 乗り遅れの心配はなかった. (もちろん,出発は1時間くらい遅れたけれど. しかし,B767のその機体は5時間飛んで, 1時間休んで,12時間程度また飛んだことになる. 世の中の飛行機はこんな使われ方をしているかと 思うと,少し乗るのが怖くなる...) したがって,荷物ももしもシアトルまで 運ばれていたら,問題はなかったはずである. つまり,アトランタでシアトル便に 乗り換えるときに,荷物が間に合わなかったと いうことになる. 関空で確かめてみるとやはりその通りだった. まぁ,実はこれは出張に行く前から 想定していたことで, なぜならば,アトランタでの乗り換え時間は 40分そこそこだったのである. 人自体が乗り換えられるかどうかも 少し怪しい(アトランタはターミナル間の移動が 楽なので,実際は楽々だったのだけれど). 40分で,乗ってきた機体から荷物を運びだして, 2つとなりのターミナルの機体へ運び入れるのは, 人よりも難しいとは想像に難くないのである. しかし,今回はシアトル行きの便の出発が 1時間程度,エンジントラブル(?)のために 遅れたので,荷物も大丈夫かな, と思っていたのだけれど,やっぱり難しかったのだろう. 荷物は来ないといっても...

国際線の移動は苦行なり

現在の時刻は朝の4:50. ノックスビルの空港にいる. 昨日,ECCE2010が開かれた アトランタから午前中のうちに このノックスビルにやってきて, テネシー大学のTolbert教授の研究室を 訪問させていただいた. といっても私が段取りしたわけではなく, 助教のK先生が訪問するということで, ちゃっかり便乗させていただいたのである. 見学内容については,いつかブログに 記事を書くことがあるかもしれないけれど, 今日は,これから始まる帰国の旅程について. ノックスビル空港を6:35発のデルタ航空で, まずはアトランタまで1時間のフライト. Transitが40分程度で,シアトル行に乗り換えて 5時間のフライト. そしてシアトルから関西空港行で, 約12時間のフライトである. 帰国した日本では,19日日曜日の 16:00頃となる予定である. う~ん,日本は遠いなぁ. とにかく寝ること. そして映画を観ること. そうやって時間を過ごしていきたい. 航空機による移動は, まるで苦行のようである(笑).

日本の学生が危ない

ECCE2010に参加して改めて危機感を感じた. パワーエレクトロニクスの主要な 国際会議ということで, 世界各国の研究者が成果を報告するのだけれど, 発表者には,学生も少なくない. 世界各国の(まぁ,アメリカの大学が中心だけれど) 博士課程の学生が自信を持って発表しているのだ. 彼らを見て思った. 一体,日本の学生は彼らに太刀打ちできるのかと. 正直,残念ながら彼らには見劣りがする 学生が多い. もともとの貪欲さが違う. 彼らは自分のスキルアップ,キャリアアップに とにかく熱心である. 彼らはなんのために研究しているのか. それはもちろん,世界のためでもあるけれど, 自分の能力の向上,経歴の積み重ねのためでもある. だから彼らは研究に貪欲なのだ. 翻って,日本の学生は何のために 研究(卒業研究,修士論文の研究)をしているのか. それは,卒業するためである. 大学を卒業したという称号,学士,修士を 得るためである. だから,研究に最短の道を求める. はっきりと言えば,研究成果がどうなろうと 関係がないのである. 楽して卒業ができるのであれば, それが一番有難いと考えている学生が 多いような気がする. 簡単に卒業できるテーマが 一番彼らが欲しいものなのである. しかし,こうした国際会議の場に来てみると, そんなのは,全くのアマちゃんの考えだとわかる. 日本の狭い国内だけで,自分の保身が図れる なんてことはこれからの将来, とても甘い考えだとわからないのだろうか. 海外から採用をする企業が増えているのも 仕方がない. 海外の学生の方が優秀なのだから. 同じ仕事であれば,安くて優秀な労働力, すなわち,アジアを中心とした新興国に 仕事が流れていくに決まっているのだ. まして単調な仕事,誰にでも出来る仕事など, 日本から無くなってしまうに決まっているのだ. では,そうではない仕事. クリエイティブで,複雑な仕事. それらを任せられるだけの実力を 日本の学生が身につけているだろうか. そうした不確定な将来を認識して, 危機感を持って,学業を行っているだろうか. 残念ながら,とてもそんなふうには思えない. もちろん,社会のせいもある. 今の異常な就職活動の...

Atlantaという街

Atlantaに着いて3日が過ぎた. 会議でほとんどホテルにカンヅメだから, どこを見たというわけでもないけれど, Atlantaという街についての印象をまとめておく. まずAtlantaは日本人率が低いように思う. というより,まずは黒人率が非常に高い. そして,ウェイトレス,ホテルマン, 小物売りの店員,そうした職業の人は, ほとんど黒人の人である. アジア系も少ない. シアトルやバンクーバーに比べると, 本当に少ない. 会議の参加者以外にまだ日本人に会ったこともない. ファストフードやショップに行くと, どこから来た?と良く聞かれる. Koreaか?Chinaか?それともTaiwan? Japanという言葉が出てこない. (しかし,これは単に私の外見の問題かもしれないが) "Japan"と答えると,開いては本当にびっくりする. Atlantaに来る日本人は少ないのだろうか. ではAtlantaは何が有名かと言われても, やっぱりいまひとつピンと来ない. もちろんオリンピックの開催地ではあるけれど, 記念の公園がダウンタウンにあるだけで, あとはそれを思わせるようなものは無い(ようだ). (ちなみにこの公園では,噴水が有名で 音楽とともに噴水ショーを毎日見ることができる. 噴水ショーが開かれないときには, 子供たちが水着を着て,水遊びに呆けている. 私はそれほど感動しなかったのだけれど...) 他に有名なものは,コカコーラ,CNN等の 本社があること. コカコーラの博物館がある. またその近くの水族館も有名らしい. CNNは,見学ツアーがあるという. まぁ,来ら来たで楽しむことができると思うけれど, それらを見るために,わざわざアトランタまで 来る人も少ないだろう. 料理も別に有名でもないし... おかげで会議のバンケットの料理も簡素なもので 終わったし,出し物もゴスペルのコーラスがあっただけだった. 本当にビジネスの街なのだ. 映画ファンならば,マーガレット・ミッチェルの 「風と共に去りぬ」ということで興味があるかもしれない. 私は残念ながら,この映画を見たこともないし, 力強い女性の生き方にも興味がない. だから記念館にも行く...

100%再生可能エネルギーは可能か

アトランタの街は, 昼は暑く,朝夕は涼しい. 気温は昼間は30度を越えるが, 朝晩は20度位になって肌寒くなる. 半袖では寒いくらいである. (とはいえ,会場のホテルの部屋は どこも冷房が効きすぎていて, 半袖では寒いのだけれど) 今朝始めのセッションで 無事発表も終え,ひとまずほっとした. しかし,英語の発表はやはり難しい. 発表自体も難しいけれど, 質疑応答が一番ドキドキする. 何はともあれ,会場からの質問を 聞き取れるかどうかが問題なのだ. 国際会議ということで,もちろん いろいろな国からの参加者がいて, 全員が大統領のようなアメリカ式英語を 話すとは限らない. スペインの人とか,ロシアの人とか, オランダの人とか,それぞれに お国訛りがあって,質問が即座に 理解出来ないのである. (例えば,オランダ人は ヴォルテージ(電圧)を フォルテージとよく発音する. それに気づくのにしばらくかかったことがある) 今回は幸いにして,会場からの3つの質問は どれも聞き取れ,また簡単に回答できるもの であったので,助かった. 講演が終わったあとも,5~6人の人たちと 議論することもできたし, まぁ今回は合格点だったことにしよう. (発表自体はもっと練習すべきだったが) 夜はRAP Sessionが2つ開かれ,私は, "Update on Wind Energy Systems"に参加した. (もうひとつは,"Electrical Systems for Future Transportation") 参加者はアルコールを片手に(サービスされる) 議論をすることになる. そこで,出された話題が "100% 再生可能エネルギーとなることは可能か? " というもの. 風力発電や太陽光発電などだけで 私たちは必要な電力をすべて得ることが可能か, ということである. それにはどれだけの電力貯蔵装置が必要なのだろう? 現在,風力の発電単価が6セント/kWhである とのことだったが,今後はその導入に必要な (出力変動を補償することができるだけの) 電力貯蔵装置のコストもそこに加算して 評価すべきなのではないだろうか...

電気工学に追風が吹いている~ECCE2010 Plenary Session

ECCE2010のオープニングの プレナリーセッションは, CO2削減,エネルギー消費低減, 機器の効率アップ,という話ばかりだった. (シュナイダー・エレクトリックや イートンによるスマートグリッドを絡めた 機器の話が中心だった) 昨年の,テスラ・モーターズや IPCCによる温暖化の話 とは 少し話題が変わりつつある. やはりオバマ政策のせいか, この分野に追い風が吹き始めていることは 確かなようだ. イートンの副社長がこう言っていた. 「あなた達の中に電気工学者はいますか?」 (もちろん会場のみんなは挙手) 「それは素晴らしい. あなた達は世界を変える機会がある」 そのとおり. 電気工学者はこれから世界を変えなければならない. 持続可能な社会へと変化するための テクノロジーを開発し続けなければならないのである. 特にそのキーであるパワーエレクトロニクスの 研究者は中心となって活躍しなければならない. 各プレゼンタの講演内容は新味の あまりないものだったけれど, 世の中がその方向で動き始めているということが, このプレナリセッションでよく実感することができた.

アトランタへ.ECCE2010

ECCE2010 に参加するために, 現在アトランタに来ている. サンノゼでECCE2009に参加 してから はや一年が過ぎたことになる. 本当にあっという間である. (これじゃ,年をとるのも 速いわけだ...) とにかくアトランタは遠かった. 自宅を出てから,ホテルに着くまで たぶん24時間かかったのではないだろうか. 昼に家を出て,関西空港17:45発の デルタ航空でシアトルへ. 7月に バンクーバーのマイクログリッド シンポジウム に参加した際も同じフライトである. まぁ,便利だから仕方が無いけれど, 狭い767の機体で,9時間以上のフライトは ずいぶんときつい. さらに今回はかなり体調が悪くて, (電気学会電力・エネルギー部門大会に 参加した時からずっとお腹をこわしていた) 風邪もひいたようだったので, 薬を飲み飲み搭乗し,かなりつらかった. シアトルでまた2時間以上の待ち時間ののち, アトランタへは5時間のフライト. その上,飛行機は出発が40分も遅れたので, アトランタ空港に降り立ったのは, 夜の10時半過ぎだった. そこから地下鉄でダウンタウンへ. 安全とは聞いていたけれど, 11:00を過ぎてから乗るのは少し不安だった. 周りは身体が大きな黒人の人ばかりだし... (白人の人は少なかった.まして アジア系なんて,一人くらいしか見かけなかった) ダウンタウンまでは20分弱. 降りて,会場のヒルトンホテルに着いたのは, 夜中の12時10分前. 翌日の8:00から,セッションが始まるので, 本当にヘトヘトだった... なんとか翌朝起きて, セッションには朝から参加できたけれど, 今回は本当に疲れた. 歳のせいかも,と最近いつも思うようになったなぁ. ということで,またいろいろと頑張ろう...

Ustreamを見て,思う.

最近はUstreamなるものがあって, かなり小規模のライブネット放送が行われることがある. 音声だけではなくて,TV放送と同様, ライブ動画配信である. 私のネットラジオなど大好きだから, どんなものかとUstreamを見てみることがある. どれくらい小規模かというと, 画面の下に「OOO人視聴中」などと表示されるのだけれど, 350人などという人数となっている. これが日本全国で,という数である. しかし,たぶんその経費はTVなどに比べて ずっと低いだろうから,個人でも実現可能なレベルの 動画配信なのだ. これがこの先注目を集めることは間違いないだろう. どんなことだって,動画配信できるようになるのだから. TVなどの「検閲された」「編集された」情報とは違って, 全く質の異なる情報を発信することが出来る. これまでもTVなどでは配信されにくい 電波の利権の問題や政治問題,検察の問題などで ソフトバンクの孫氏やホリエモンなどが対談した番組などは ずいぶんと多人数の視聴者がいたようである. 今後もこうした情報発信は,必要とされるし, 私も視聴したいと思う. しかし,視聴者が先に述べたように 現状かなり少ないことが問題である. 一般の人が,こうした動画発信に触れる機会は ほとんどないだろう. 現在は,俗に言うアーリーアダプターだけが 視聴している状態である. これをいかに一般化していくかが課題である. そうした動画発信のビジネスモデルが確立されるまで, Ustreamのような新しい芽が枯れない,あるいは 摘み取られないようにしていかなければならない. (こうしたものはすぐに既得権のあるメディアに つぶされてしまいそうだと心配している) 私たちは,こうした新しいものに飛びつく必要はないが, 将来有望だと思われる技術には注意を払い, うまく育てていかなければならないのだ. いままでは無責任だった視聴者も 変わり始める必要があるのだと感じ始めている.

電気自動車は,F1の夢を見るか

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先週の電気学会電力・エネルギー部門大会では, 種々の企業からの展示もされていて, それはそれで大変参考になるのだけれど, 今回は九州電力が出展していた電気自動車iMiEVに 試乗する機会があった. 実はPure EV (Electric Vehicle)に乗るのは 初めてである. 残念ながら運転席ではなくて助手席. そして乗っている時間もおよそ5分. 学会会場を出て,少し走って戻ってくるだけ. それでも電気自動車の新しい感覚を堪能することが出来た. 九州電力展示のiMiEV まずスイッチを入れるとエアコンの音しかしない. エアコンを切ると音がほとんどしないことがすごい. これは,車内でクラシック音楽を聴くのに とてもいい環境だ,と思いきや, 走り出すとタイヤのノイズが思いの外,気になる. たぶん通常のガソリン車ではそれほど 意識には上らなかった音が聞こえてくるということなのだろう. もちろんエアコンの音も大きく感じる. 意外に音楽を聴くには不適かも... まぁ,こうしたノイズならばアクティブフィルタを用いて, スピーカで打ち消すこともできるだろうし, やっぱりガソリン車に比べれば静かなことは間違いない. 電気自動車の時代はカーステレオの時代なのだ. コクピット 次に加速が全く違う.アクセルを踏み込んだらトルクが,ほぼ遅れなくかかり, グーンと加速していく. これはいい. こうでなければモータ駆動の車とはいえまい. このリニアリティ. そして,どのような速度においても 大きな加速トルクを発生することが出来る制御性. どれもガソリン車には無いものである. シフトレバー アクセルから足を離せば, 回生ブレーキがきいてくる. 強めのエンジンブレーキという感じ. インパネの指示がChargeに触れる. おお,運動エネルギーを電気エネルギーとして 電池に回収しているのだ. これこそ電気自動車の電気自動車らしいところ. 誰かが「これからどれだけガソリン車に近づけることが できるかが課題だ」などとどこかで書いていたけれど, それは全く違う. そんなことをすれば折角の電気自動車の特質が 失われてしまう. むしろ私たちが慣れるべきなのである. 現在のところ,たぶんトルクの増加率や ブレーキの効き方などは,ガソリン車に近い 感覚になるように制御されているのだろう. しかし,潜在的な能力が...

シャープ歴史・技術ホール,平城宮跡(研究室旅行H22)

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今日は毎年恒例の研究室旅行. 今回の行き先は,(株)シャープ殿の「歴史・技術ホール」(+etc.)と 1300年平城京遷都の「平城宮跡会場」の二つ. 30名弱の人数でバスで乗り込んで出発. シャープ殿の「歴史・技術ホール」 は, 家電マニアにはたまらない展示が並んでいる. まずシャープ創業者の早川氏は, 「ベルトのバックル」(穴を開けずにベルト長を調節できるもの, 現在も使われている)を発明したのだそうである. それもわずか18歳で! おそるべき少年だったに違いない. そして,その後,現在の社名のもととなった, 「シャープペンシル」(当時の名称は, Ever Ready Sharp Pencilだとか)を発明する. シャープペンシルがずらり それら初期のシャープペンシルがずらりと並んでいる. しかし当時はあまり売れなかったらしい... そのうちに関東大震災ですべてを無くし,借金のために シャープペンシルの特許も譲渡することになってしまった. そのために関西に来たのだという. しかし,その後も「目の付け所がシャープだね」の宣伝の通り, ユニークなアイデアが生かされた製品が目白押しなのである. 鉱石ラジオ,三球ラジオ,五球スーパーラジオから, トランジスタのポータブルラジオまで. 当時話題だったスプートニク風デザインのラジオや, なんとソーラー電池式ラジオなんてものまであった. 歴史的なラジオもずらり 個性的なラジオたち(右下はソーラー電池式) その他,冷風機や魚用グリル,折りたたみ式アイロン, 電子レンジ(チンとなるように初めてした), ポータブルテレビなどに製品は広がり, IEEEマイルストーンを受賞した電卓へと続く. あとは液晶テレビ,プラズマイオンクラスタなど, 現在もおなじみの製品となるわけだが, どちらかというと家電が好きな私としては, あっという間に時間が過ぎてしまった感がある. 興奮して写真を撮りまくった. こうしてみるとあらためてシャープの製品の ユニークさに感心する. さすがにすべてヒット商品とはいかないけれど, そのユニークさは現在の製品にもずっと受け継がれている. いいなぁ,シャープ. これからも応援していこう(笑). シャープ見学のあとは,...

電気学会電力・エネルギー部門大会(九州大学)

先週はバタバタしていて,バタバタしていて, バタバタしていたので,ブログの更新を 滞らせてしまった.反省. 先週9月1日より3日まで,九州大学で開催された 電気学会電力・エネルギー部門大会に参加していた. 私も学生も発表はなかったのだけれど, 情報収集のために参加した. 学会は,最近の研究開発のトレンドを知るのに もってこいの機会である. 9月1日は,8:00伊丹空港発のフライトで 9:15には福岡空港に降り立っていた. しかし,そこからが遠い. 九州大学は伊都キャンパスということで, 福岡空港から電車とバスを乗り継いで, およそ1時間かかるところにある. キャンパスは素晴らしかったけれど, 学生の皆さんはたいへんかも. (いや,学生の多くは近くのアパートに 住んでいるのか) 午前中に開催されていた座談会 「新しい電力・エネルギーシステムの要素技術」の 途中から参加する. 実はこの座談会を主催した協同研究委員会の メンバーなのだけれど,十数回開かれた 委員会のうち,たった3回ほどしか参加できていない. 本当に申し訳ないのに,今回も途中参加. 申し訳ない気持ちでいっぱいであった. しかし,内容は面白かった. 電力・エネルギー部門だと,どちらかというと システムよりの話ばかりで,変換器などの 具体的なコンポーネントは少ないのだけれど (いや,ケーブル,遮断器などはあるのだけど) この座談会では,直流配電や非接触給電, 熱電併給のシステム,電力系統解析ツールなどの 個々の技術に話が及んでいて,興味深かった. こうした具体的な技術の進展が,逆に 電力系統の展開に影響を及ぼすということも ありうるのだろう. またこうした話こそ,大学で研究するのに 適したテーマなのかもしれないと思う. さて,その後は各セッションを渡り歩いた. 今回の部門大会で最も目立つのは, 「太陽光発電」である.5つもセッションがあった. 現在の電力業界のトレンドなのだと, あらためて実感する. 産業応用部門ではないので,変換器の話ではなく, 発電電力の予測や,それにかかわる電力貯蔵装置の 設計論,あるいは変動電力を考慮した系統制御など, そうしたものが中心である. 正直,ちょっと飽き飽きしてしまった....