SNSというのは大変面白い。たとえば、テレビでは番組に対する視聴者の反応がわからなかったものが、今ではコメントが書き込まれることによって反応をいくぶん知ることができる。あるいはXなどへの書き込みによって、リアルタイムで感想がタイムラインにあふれることになる。そうした双方向性、即時性が昭和の時代にはなかったリアクションであり、面白さである。
一方で、コメントを書き込むことへのハードルが低すぎるということがずいぶんSNSを問題のあるものにしていることは間違いない。ラジオ番組への投稿も、ネットであればネタを思いついたらすぐに投稿できるが、以前はハガキで申し込まなければならなかったのでネタを何度も吟味し送らなければならずハードルは高かった(と、こんなことを書いているけれど私はハガキ職人でもなんでもないのだけれど)。
こうしたネタであればよいのだけれど、ネット時代になって番組への感想などもほとんどハードルゼロで書き込まれることになった。その結果、ひどい罵詈雑言の嵐がコメント欄に巻き起こる。ポジティブで建設的な意見ならばよいのだけれど、上から目線の非難(批判ではなく)なども多く、見ていて相当に不快になる。これがSNSの欠点であると思う。
そしてそうしたひどいコメントを見ていると、どうも書き込んでいるのは若い人ではなく、40代以上の大人が多いのではないかと感じる。
そもそも若い人は長い文章をコメント欄などに書き込まない。一方、ひどいコメントの文章は長く、そして上から目線で失礼なものが多い。その内容も説教じみて、昔の感覚を基準に書かれていることが多いような気がする。そんなに嫌ならば番組を視聴しなければいいのに。そこで偉そうなコメントを書くことで承認欲求を満たそうとしているのだろうか。
若い人の番組に感覚が合わないなどというコメントを書いてみたり(個人の感想ですよね!)、有名曲のカバー演奏の動画に「あなたの歌は本家にはかなわない」みたいなことを書いたりする(それもあなたの感想ですよね!)。あるいは、お笑い芸人の番組に向かってまるでお笑いのすべてを知っているかのような口調で説教する(お笑いのプロに説教できるほどの知識と経験があるの?)。そしてそもそも悪意のある人がコメントを書き込む頻度が高いわけだから、コメント欄は悪口に触発されて爆発的にネガティブな文章であふれかえることになる。本当に読んでいると不快で腹が立ってくる。そしてゲンナリする。気持ち悪いけれど、私もその世代の人間なのだから。
私もこの年齢でSNSを見ているわけだから,その気持ち悪さにある程度貢献していることは認識している。私はコメントを書き込んだりしないけれど、目を通しはしている。おおざっぱに言ってしまえば、こうした中年・老年によるネット公害は、老害のひとつに含まれるのだろう。
このブログだって老人の承認欲求の表れなのだから、他人を非難することはできないのかもしれないけれど、心無い誹謗中傷のコメントを読むたびに自分はそうはなるまいと自省を繰り返すのである。
#匿名性の高いXからスレッズなどに移行すれば少しは改善されるかもしれないとは思う
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