雨降小僧が出そうなこんな夜には,ゆっくりと落語の怪談噺なんて聴いてみたい
雨が,ざぁーざぁー,と降っている. こんな蒸し暑い夜には怪談のひとつでも聴いて,背筋からぞぞと涼しくなりたいものである. これからの季節,落語や講談で怪談がもてはやされることになる. でも,怪談というのは語るのが難しい.聴いている人をわざ怖がらせようとすれば,その魂胆が表に出て聴いている方ががしらけてしまう. ネットTVで怪談を語る番組をときどき見ていたけれど,怪談家と呼ばれる人にも上手い下手があって,劇的に語ろうとする人ほど,聴いているこちらがしらけて語りの世界から外れ全然怖くない.それどころか,話自体が面白くなくなってしまう.本当に怖いのはむしろ淡々と日常生活の出来事のように語られる怪談である.落語家も講談師も上手の人はただただ語るだけである. 落語の怪談はオチがあるものもあるけれど,本当の恐ろしいだけのものもある.「真景累ヶ淵」や「牡丹燈籠」,「四谷怪談」あたりがそうで,話が長いこともあって「聞かせる」落語家の技量が必要となってくる.いつか生で聞きたいものである. ということで,雨がざぁざぁと降るこんな夜には雨降小僧なんて現れそうで,それはそれで少し怖くてちょうどいい.幽霊の因縁話だけではなくて,妖怪話なんてのもいいなぁ.