2014年6月27日金曜日

ワールドカップ日本敗退に思うこと

というわけで,今回のワールドカップは,日本にとって非常に残念な結果になってしまったわけですが,試合を見ていて思ったのは,出場している選手たちは想像を絶する努力をした結果,あの晴れ舞台に立っているわけで,そして一生懸命戦っているわけで,その結果を私がとやかく言えることではないということです.

その一方で,やはりこのような不本意な結果に終わってしまったからには,その原因と改善策を検討しなければならないし,当然選手たちも批判にさらされることでしょう.選手たちがそんなに頑張ってきたのに批判されるのはかわいそうに思うのですが,それがプロフェッショナルというものなのでしょう.結果が求められる厳しい世界に彼らはいるのです.仕方ないと思います.

しかし,これまでもよくありがちなことだったかと思うのですが,誰かを戦犯扱いして非難するのは嫌な気持ちがするのです.特にマスコミは,これまで賞賛してずいぶん持ち上げてきたのに,このような結果になってしまうと180度方向を変えて,一斉にこき下ろし始めます.そんな人たちに,違和感を感じるのは私だけでしょうか.こうした態度はマスコミだから許されるのでしょうか?もしも私の周囲にそんな人がいたならば,私はその人を敬遠することでしょう.

非難と批判は違うと思います.批判は相手のためになるものだと思いますが,非難はそうではありません.批判はしてもいいと思いますが,今回の日本チームについては非難はすべきではないと思います.彼らは十分に戦ったと思えるからです(手を抜いていたと思う人がいれば,非難するかもしれませんが).反省すべき点は,次回に活かせばいいことです.

相当の努力をしてきただろうに,このような望まない結果が訪れてしまう.
この全世界の人々の前で起こってしまった事実をもって,「努力が必ずしも報われるわけではない」,という人生の重要な真実を今回の大会は(今回の大会も)教えてくれたのだと思います.いや,スポーツは,ほとんどの人たちにとって,常にそれを教えるためにあるのかもしれません.努力が報われ賞賛を得るのは,本当に一握りの人たちだけなのですから.

試合後の日本選手のインタビューを見ていて思い出したのは,山際淳司が彼の短編小説「ポール・ヴォルター」(「スローカーブを,もう一度」収録)の中で引用しているヘミングウェイの言葉です.

「スポーツは公明正大に勝つことを教えてくれるし,またスポーツは威厳をもって負けることも教えてくれるのだ.要するに…スポーツはすべてのことを,つまり,人生ってやつを教えてくれるんだ」

今回も,最高の舞台で,プロフェッショナルたちがそれを教えてくれたということなのでしょう.

#上記の言葉は山際氏の小説の中に紹介されているのだけれど,いまだに原典がわかりません.一体,どこで彼が発言したのでしょうか?

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