2019年6月3日月曜日

手に入れようとすると,手の内から逃げてしまうもの

手に入れようとすると,手に入れられなくなってしまう.あるいは,それが損なわれてしまうものがある.

ハリー・ポッターの中に出てくる賢者の石もそうだった.使いたい者には賢者の石は見つからない.ただ見つけたいと思っていたハリーのズボンのポケットには,いつの間にかそれが入っていた.

村上春樹の小説の"Seek and Find"もそうだ.主人公が見つけたときにはそれはすでに損なわれている.あるいは失われてしまっている.鼠も会えたときには死んでいた.キキも殺されてしまっていた.失われた友情.愛.

メーテルリンクの「青い鳥」もそうかもしれない.幸せの青い鳥は探しに出ても見つからなかった(この場合は,身近にいたことを知るのだけれど).

「求めよ,さらば与えられん」で済まないことも多々この世の中にあるということを教えてくれる.それを求めようと「ギラギラ」しても(「ガツガツ」しても),それがかえって欲しいものから自分を遠ざける.

では,どうやったらそれを得られるのか.私も教えてもらいたいと思っている.ただ,それにふさわしい者になれば,欲しいものは向こうからやってくるのかもしれない,とは思っている.

あるいは,他人に理解されないような努力をすることがよいのかもしれない.映画「フィールド・オブ・ドリームス」の主人公のように,とうもろこし畑に野球場をつくるような馬鹿げた努力が.

映画はいろいろと教えてくれる.それが本当のことか,単なる夢想なのかはわからないけど.

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