2007年2月23日金曜日

ヘッドアップクロール

本日,私が所属するコースの学部4年生の卒業研究発表・試問会が開かれた。

4年生の皆さんは,約1年にわたる研究の成果をまとめ,
我々教員の前で発表しなければならない。
そして,それは卒業の可否を決めるものであるから,
学生の皆さんの真剣さはそれはすごいものである。
と同時に,緊張もかなり大きいらしく,
ぎこちないそぶりの人も見受けられた。

とはいえ,もちろん皆さん練習をして来るのだから,
ほとんどの人は堂々とした素晴らしいプレゼンテーションではあったけれど。
とにかく皆さん,素晴らしかったです。ご苦労様でした。

さて,今日の発表を聞いていて気づいたのは,
学部4年生というのは,
自分の研究の位置づけができていない人が多いということ。
これは研究を行ううえで,致命的である。

たとえテーマが先生から与えられたものであったとしても,
それがその分野でどのような意味をもつのか,
それが将来どのように社会に生かされるのか,
常に考えて研究していなければならない。
そして,自分の研究のどこにオリジナリティがあるのか
常に意識しなければ,
研究の方向性がすぐに見失われてしまう。

目的意識を明確に持つことは,
研究に限らずすべてのことにおいて最も重要なことである。
それがなければ,目的達成,成功はありえない。
まず目的を定める。目標を定める。
そして何をもって目的達成といえるのか,具体的な指標を定める。
これが大切なのである。

海で遠泳するときには,
息継ぎを横にするのとは別に,
ときどき正面を向いて目的地を確認しながら泳ぐ
ヘッドアップクロールを用いる。

目的地を確認せず,
目の前の波との格闘だけに終始していては,
どこに進んでいるのかわからない。
下手をすると,どこにもたどり着けないかもしれない。

研究においても,
常にヘッドアップして自分の目的地を確認しなければ,
どこにたどり着くかわからない。

(私のヘッドアップクロールは溺れているのと
変わりがないように見えるらしいけど)

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