最近,「トム・ソーヤ効果」という言葉を良く目にする(というか,私の心にバイアスがかかっているのだろうが).「トム・ソーヤ効果」というのは,トムソーヤの本の中に出てくるエピソードに起因するもので,そのお話は次の通り.
ポリーおばさんがトムのいたずらの罰としてトムに退屈で大変な壁塗りをさせるのだけれど,トムは智恵を働かし友達の前で,「壁塗りほど楽しいものはない」というようなフリをして,友達が壁塗りをしたくてたまらないように仕向けるのである.そのうち,壁塗りをやりたくてたまらない友達がつぎつぎと現われ,自分たちの宝物まで差し出して,やらせてもらうようになる.トムは,壁塗りを友達にやらせ,宝物もせしめ,最後にはおばさんにも褒められるという話なのである.「罰」であるお手伝いが,誰もが競ってやりたいと思わせる「遊び」に変わるというところが,この話のキモなのである.
トムは最初にやりたがる友達をワザと断ることによって,「壁塗り」の魅力を増すようなテクニックまで使っている.つまり,簡単には手に入れることができない状況を作り出すことによって,多くの人が逆に魅力を感じるようにさせているのである.これが「トム・ソーヤ効果」と呼ばれているらしい.
しかし,私の考えでは,つらい仕事も見方を変えることで楽しい仕事に変えることができる,というのも,この話の示すところであるように思う.自分の仕事もつらくて退屈だとばかり思うのではなく,それを「遊び」と思えば楽しく,継続して続けることができるだろう.そんなことを,最近この言葉を目にして思ったのである.
ただ,自分をだます,というのが最も難しいのだともすぐに気づいたのだけれど...
2012年1月16日月曜日
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