スイスに行って,いろいろと腕時計について考えてみたのだけれど,よく考えてみたらこの私,今年に入って腕時計を3つ買っていることにあらためて気づいた.おや,まあ.
しかし,私は腕時計は実用性を重視するものだと思ってきたので,購入したものは当然高価な時計ではない.そしてこだわりもほとんど無いので,本当に実用本位なものにしか興味が無かった.
そこで,実用本位といえばミリタリーウォッチなのである.
ミリタリーというぐらいなのだからもともとは軍用であるのだろうけれど,私が街中で使う分にはそんな本格的なスペックである必要はもちろん無く,あくまでも「ミリタリー風」な時計のことを指している.
そもそもミリタリーである条件とは何かと少し考えると,「視認性の良さ(暗所も含めて)」,「壊れにくさ」,「「防水性」,「操作性の良さ」,「安価」などがすぐに思いつく.その他のスペックとしては「耐磁性」などがあるだろう.しかし,日常で使用する分にはそこまでは要求されないはずである(私が超電導コイルの試験をしていたころは,確かに必要ではあったけれど...).
「安価」というのは,軍用時計の成り立ちを考えればわかることで,大量に兵士に供給しなければならず,また戦場で故障してしまったら直すことができないので,捨てて新しいものに取り替える必要があったからである.だから高額なミリタリーウォッチは本来ありえないはずなのである.
昔は機械式時計しかなかったから,ミリタリーウォッチも手動・自動巻きなどが主流だっただろうけど,クォーツ式が出てきてからは,やっぱり正確性,頑健性においては敵わず,クォーツ式こそがミリタリーウォッチにふさわしいといえるのではないだろうか.電池が切れることが心配だが,それは管理でなんとかなる.今ではソーラー式のものもあるくらいだし,電池が切れて困る可能性は自動巻きの時計が壊れる確率よりもずっと低いのではないかと思われるのである.
こうして考えると結局,ミリタリーウォッチとしてはG-Shockが最高ではないかと思うわけで,それを裏付けるように,以前から世界中の兵士に愛用されているとの記事を多くの雑誌で目にしてきた.確かに,壊れにくく,防水性が高く,比較的安価である.そして私が工学系だからなのか,時刻の精度が気になるのだけれど,電池式のものであっても十分な精度のに,現在ではその上ソーラーで電波なのである.電池切れ,時刻合わせの問題も無い.デジタル表示に不満を持つ人もいるかとは思うが,現在ではアナログ表示のG-Shockも大変多くの種類が発売されているのである.さらに,防塵性,防泥性を高めたモデルや,方位計,温度計なども付属しているモデルもあって,まさにコンバットCasioなのである.
というわけで,私も今年久しぶりにG-shockを購入した.ソーラーで電波なやつである.そして,デザインは四角い形をしたオリジナルなもの.いわゆるスピードモデルなどと呼ばれているものである.なぜって,軽くて,薄くて,必要な情報が一目で確認しやすいから.息子などに言わせると,面白みが無くてかっこ良くはないとのことだが,私はこのモデルが好きなのだ.以前に超電導コイルの試験に携わっていた時も多少の磁場中でも全然問題なく動いていたし(その頃は電池式のものだったけれど),腕時計をはめたまま太い電線ケーブルをさばいていても気にならず,思うように作業することができた.つまり,使い勝手が最高なのである.他のG-Shockのモデルは少しカジュアルすぎるところがあるし,とにかく街中づかいにおいてはオーバースペックすぎるところが気になる(これも工学系の感覚かも).またスーツ姿においてもそんなに違和感がないところがいいのである(映画「SP」でも,堤真一や岡田准一もスーツ姿につけていたけど).
今回のスイス出張においてもそれは大活躍してくれた.ヨーロッパでも電波を拾って時刻合わせが行われていて安心(サマータイムもちゃんと対応していたし).スイスでも,飛行機乗り継ぎのドバイでも時刻の変更が本当に楽だった.実は,私が持っている他のアナログ時計は,G-shockを使っていつも時刻合わせしているのだし.
久しぶりにG-shockを購入したのだけれど,大学時代に購入したころから(見た目)はほとんど変わっていない.1000円程度のデジタル時計と大差ないデザインなのだけれど,それもまた魅力の一つなのかもしれないと思う.ひとつ欠点をあげるとすれば,この歳になってG-Shockをつけていると少々馬鹿にされることが時々あることかもね.
#そもそも腕時計は,戦争中砲兵が懐中時計を腕に巻きつけたのが始まり,などという説もあるくらいだから,ミリタリーとの相性は良いのである
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