「フィールド・オブ・ドリームス」(1989)(監督 フィル・アルデン・ロビンソン)
数年前に観たときの感想がこれ.
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"Field of dreams"を観た。最後の父親とのキャッチボールに涙腺がゆるむ。「ここは天国か?」というセリフが何度か出てくる。「天国とは夢が叶う場所」という定義ならば、この世にそれを実現することも出来る。野球は「善」の象徴だ。自分が野球に郷愁を感じる世代でよかった。
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この映画をずっと観たかった.歳を取るにつれ純粋な気持ちを忘れているような気がしていて,この映画はそれを思い出させてくれそうで,ずっと観たかった.私は涙を流すことはほとんどないのだけれど,それでも最後のシーンでは少し涙腺が緩んだ(結局涙はでなかったけれど).
まず,ケビン・コスナーがいい.彼はまだ若く,田舎の気のいい兄ちゃんレイをぴたりと演じている.そんな彼がある日,とうもろこし畑の中で「それをつくれば,彼はやってくる」という不思議な声を聞く.父親のように年齢に負け日常に埋没していく生活を嫌って,その声に従ってとうもろこし畑を潰して野球場を作ってしまう.それから彼の生活が変わっていく.
次に奥さんがいい.「ストリート・オブ・ファイヤー」のマッコイ役の女優だ.ここではレイを支える素敵な奥さんを演じている.謎の行動をとる彼を責めることもなく,一緒に野球場をつくる.
そしてとうとう彼らがやってくるのだ.とうもろこし畑の向こうから.なんという素晴らしいファンタジー.アメリカ人は野球が本当に好きなのだと感じさせられる.大選手の中に混じって,ケビンの父親もやってくる.レイとの関係に問題を残したまま父は逝ってしまった.その心の穴を埋めるシーンがある.
「父さん,キャッチボールをしないか」
ぎこちなくレイが若いままのレイの父親に問いかける.
「ああ,しよう」
そして二人はキャッチボールをするのだ.
父子のキャッチボールほど親子関係を感じさせるものって,そうそうないのではないだろうか.私は父との思い出は少ない方だけれど,やはりグローブを買ってもらって一緒にキャッチボールしたことはよく覚えている.うれしかったな.残念ながら,私の息子は嫌がってしてくれなかったけれど.
「野球」と「父子」.アメリカが「善きこと」として考えるファンタジーが,この映画で結実している.今もこの映画はアメリカのテレビで何度も放映されているのだという.みんな大好きなのだ.
映画のあと,いろいろな活動があって,映画が撮影されたその球場はずっと保存されていたのだ.そしてとうとう本当にメジャーの選手たちがそこにやってくる.そのとうもろこし畑は本当に夢が叶う場所となったのだ.
試合が行われる夜.やはり遠くからくる車が連なって,ライトが星のように並ぶのだろうか.そのひとつの星になりたい.
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