学生の就活活動をみるにつけ,心配していることがある。それは希望企業をどのように決定しているか,ということである。学生たちは,希望企業を「名前」だけで選んでいるフシがある。それを危惧しているのである。
別に,有名企業への就職を希望することが悪いわけではない。しかし,なぜその企業を選ぶのかという理由付け,すなわち企業分析が足りない学生が多いように感じる。これでは面接試験で企業側に良い印象を与えることは難しいと心配しているのである。
現在就職活動をしている学生たちは,「コロナ禍」の影響を強く受けた世代である。そのためか,自ら足を使って(努力して)なにかを得ようという学生が少ないような気がする(もちろん,積極的に活動している意識高い系の学生たちもいるわけだけれど)。企業の情報を収集し分析しようというモチベーションがどうも少なく,インターネットで見た情報だけで十分満足しているのではないだろうか。そんな考えがとても甘いように思えるのである。
有名企業であれば,安定しているだろうし,中身がよくわからなくても大勢の人が働いていていて安心だし,親も安心するだろう。そして実はあまり企業分析をしなくても済む(就職について悩まなくて済む)から,という理由が大きな割合を占めるのではないだろうか。自分の人生を選択するということは,他の選択肢(可能性)を消すことになるからだ。
今年はコロナ禍から復活しつつあるということで企業の採用活動が盛んである。したがって,学生たちにとって「売り手市場」ということが言われている。そんな噂も,企業分析が甘くなる傾向に拍車をかけているような気がする。
それで合格できるのであればいい。しかし,本当に心配するのは,名前だけで選んだその企業の試験に落ちたときである。次に受ける企業もまた「名前」で選ぶのだろうか?結局それでは同じ失敗を繰り返すだけではないのだろうか。
行きたい企業を名前だけで選ぶ。それだけでは不十分であると思う。試験に落ちたときも考えて,準備をしっかりして欲しいと思う。自分の人生の重要な選択なのだから。
>> では,どう決めたらよいのか。それについての私の考えはまた別記事で。
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