10月の下旬,アメリカで開催された国際会議から帰国すると,新型コロナウィルスにかかっていた。
土曜日に帰国して,火曜日あたりから体調がおかしくなった。熱は出ていなかったけれど,体中がしくしくと痛む。最初はコロナとは思わなかったけれど,人との接触を避けミーティングはオンラインで済ませるようにして,水曜日には病院に行く。検査を受けると,あっさりと新型コロナウィルスに感染していることが判明した。カロナールを10回分もらってあとは自宅で療養をすることになった。
私は独り暮らしなので,家族に感染する心配もないけれど,そのかわりだれも世話もしてくれない。ただ部屋には,カロリーメイトが10個以上,そのほかカップ麺やバナナなどがあったので,1週間くらいは外に出なくても生きていけそうだった。実際は,新潟に住んでいる母と妹が2日目くらいに食糧を差し入れてくれたのだけれど。
食事はそんなこんなで食べることはできたのだけれど(食欲もあった),困ったのはタンパク質が取れないこと。ヨーグルト系の飲料やチーズなどは差し入れをしてもらったのだけれど,肝心の肉がない。肉なしのベジタリアンのような食生活がつらかった。「タンパク質を」,と探して重宝したのが,「冷凍えだまめ」。電子レンジで温めて食べてたいへん美味しかった。植物性であってもタンパク質はタンパク質なのだ。
熱は38度台前半までしか上がらなかったので大したことないと思っていたのだけれど,身体がとにかくつらかった。体のフシブシが痛みもするし,疲労感もひどい。立っていることがつらい。咳も少し出始めていた。そして,なにがつらいって,よく眠れないこと。体を休めたいのだけれど,眠れないから休めない。どんどん疲労が蓄積していくような気がする。この2~3日が本当につらかった。
しかし,3日もすると,ウソのように体温が下がって急に楽になる。夜もぐっすりと眠ることができるようになった。体力も少しずつ回復することになって,再び動けるようになった。3連休もあったので,比較的良かったのだけれど,仕事だけは何も片付いていない。今週泣きながらたまった仕事を処理し続けている。私が寝ている間に仕事をしてくれる「靴屋の小人」はいないのだと思い知った。
回復してしばらくしたある夜にチョコレートを食べた。味がおかしいことに気づいた。チョコレートだとはわかるのだけれど,味が塗ったりと平坦でおいしくない。。。ドラえもんの「おすそ分けガム」を食べたようだ。元の味が変質している。
そして味覚の変化は今も続いている。食べ慣れたカロリーメイトも味が以前と違うように感じられる。コロナの後遺症なのだろう。しばらくは,この平坦な味の世界で生きていくことになりそうである。
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