2011年9月26日月曜日

スチームパンクSF萌え,電力システム研究交流会@川越火力発電所

9月22日,23日は電力システム研究交流会に参加する.

電力システム研究交流会とは,大阪大学の2研究室の他,
北海道大学,横浜国立大学2研究室,広島大学の合計6つの
電力システムを研究している大学研究室を中心として
開かれている学生たちの交流を目的とした会である.
2年ぶりの参加である.

もともとは,FRIENDS (Flexible, Reliable and Intelligent Electric
eNergy Delivery System)という現在で言うところの
Smart Gridを先取りした高機能な電力システムの研究会を
始まりとしており,今回の開催で10回を数え,今年は
三重の川越火力発電所の見学,そして名古屋の会場で
研究発表会,討論会が行われた.

22日は,世界最大級の出力を誇る(日本では2番目の大きさ)
中部電力 川越火力発電所を見学させていただいた.
こちらはLNG火力発電で,1,2号機で700MWが2機,
3,4号系列で1701MWが2系列,総出力4802MWということに
なっている.

そのうち,高効率コンバインドサイクル発電方式を
採用した3号機系列を見学させていただいた.
資料によれば発電機効率は53.9%にも達するとのことである.
3号機系列は7軸の原動機-発電機で構成されていて,
当日は6番目の原動機-発電機が定期点検中となっており,
タービン部が解体されているのを見ることができた.

発電所というと,電気屋の範疇に思われそうだけれど,
それは,発電機や変圧器以降の範囲のみ.
基本的には,ボイラやタービンが主役である.
すなわち機械系の現場なのである.

発電所内には燃焼器(撮影不可)やタービンブレードなども
設置されていて,日頃,電気系の私たちは
目にすることの機会が少ない機器を
細かく見学することができた.


スチームパンクというSFの分野がある.
蒸気機関で動くのに,高度な科学技術が実用化されて
いるという,アンバランスな世界を舞台にしたSFで,
たとえば,「鋼の錬金術師」とか「スチームボーイ
(大友克洋監督のアニメ映画)」などが代表的なものだと思う.

今回の見学で,燃焼器やタービンを目の前にして,
スチームパンクSFのファンだったら,
たいへん"萌え"そうだなぁ(死語)と思っていた.
きれな曲線を描いた配管を見ていると,
いまにもスチームが噴き出しそうだし(ウソ),
ガフン,ガフンとなにか音を立てそうである.
(実際にはタービンは内燃機関だけど.
そしてその音は,建物に吸音器,吸音壁を
採用しなければならないほどうるさい.
作業をされる方は耳栓をするというが,
それでも一日いたらたいへんだろうと思われる.
ちなみにタービンおよび発電機の回転速度は3600 rpm,
したがって発電機は2極機(1極対)である(笑))

自分も見学で大いに盛り上がった.
ちょっと興奮しすぎたらしく,続いて見学した電力館では,
疲れてほとんど動かなかった.
意外に私もスチームパンクSF萌えらしい.

0 件のコメント:

コメントを投稿

ネットの書き込みは年寄りばかり

SNSというのは大変面白い。たとえば、テレビでは番組に対する視聴者の反応がわからなかったものが、今ではコメントが書き込まれることによって反応をいくぶん知ることができる。あるいはXなどへの書き込みによって、リアルタイムで感想がタイムラインにあふれることになる。そうした双方向性、即時...