2011年9月2日金曜日

台風が来ると

台風直撃である.
どうも関西地方の頭上を越えて
日本海に抜けていくことになるらしい.
大阪ももう雨が降っていて,
風もずいぶん強い.

台風になると,不謹慎なことだけれど,
なぜか興奮してしまわないだろうか.
これは,気圧が低くなって
その影響を受けるから,なのかもしれない.

しかし,興奮するのは私だけではなさそうなのは,

台風クラブ」(相米慎二監督,1985)

という映画があることからも知れる.
(実は,私は未見なのだが)
これは台風の直撃とともに,中学生が学校に閉じ込められ,
らんちき騒ぎをするという内容らしい.
若き日の工藤夕貴や大西結花が出演している
名作とのことである.

しかし,気分が変わるのは気圧のせいだけではないと思う.
私たちはときどき破壊的な出来事を心の
どこかで期待してしまうのではないだろうか.
これまでの自分が接続されていた世界が破壊され,
あらたに再生される世界で,
自分はすべてのしがらみから解放されて新しい心でやり直す.
そんな願いが,どこかに存在しているのではないかと思う.
ちょうど,リセットボタンを押すような願いが.

もちろん,そんなことはあり得ず,
台風が来ようが来まいが,
私たちは昨日までの世界を引きずって,
明日も生活していかなければならない.
社会的存在ありえずして自分はあり得ず,
すべてのしがらみから解放されるというのは,
決して叶わぬ夢なのだと思い知らされる.

それでも私たちは,この平凡な世界から
抜け出したいと思ってしまう.
こうした破壊と再生への願望は
古代から誰もが抱いていたに違いない.
そうでなければ,シヴァ神のような破壊の神は
生まれなかったに違いないから.

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