2012年4月26日木曜日

合氣道の道着について

合氣道を始められようとする方に道着の購入について尋ねられた.そういわれると,合氣道を行うための道着というのは,どこか曖昧なところがあるような気がする.そこで,これから合氣道を始められようとする方向けに,私の思うところをお話ししたいと思う.

まずは,運動できる服装で道場・教室に通い始める
私が稽古している教室でもそうなのだが,道場に通い始めの人に,道着をすぐに購入しろとは言わない.まずは運動できる服装で見学し,および少し稽古に参加することから始めることが多いと思う.だから,とにかくはじめは道場・教室に通い始めることが大切である.教室の先生があるメーカの道着を薦めてくれることもあるだろうし,他の稽古をしている人の道着を見てから決めることができる.道着を購入するのは,自分が合氣道の稽古を続けることを決意(覚悟)してからでも遅くはないのだ.

柔道着で稽古している人も多い
合氣道の道着の選択が曖昧という印象は,柔道着を着ている人も多いし,空手着で稽古している人もある割合でいることに起因しているのかもしれないと思う.私も大学に入学して合氣道を始めた際には,高校の空手道部時代に使用していた道着を着ていた.次に購入したのは,柔道着だった.なぜなら柔道着が一番安いからである.

では,合氣道着,柔道着,空手着は違うのか,という疑問が出てくる.
答えはやはり違うのである.空手着は基本的に道着をつかみ合うことも,受け身を多くとることも想定されていない.だから薄手の布地で,合氣道の稽古の中で破れやすいようである(特に肩と袖のつなぎ目部分).その分,突きや蹴りなどが出し易いようにするため,道着は動きやすく余裕があるように作られているのであるけれど.さらに襟が乱れないように,道着の内側にヒモがついていたりする.

一方,柔道着は合気道着よりずっと丈夫に作られているようである.まずは袖口などが合気道着に比べ内径が大きい.これは競技中に袖口をつかみやすくするためと考えられる.次に襟が分厚い.これも襟をもって競技をするために丈夫にするとともにつかみやすくするためだろうと思う.あとは,個人的な感想だけれど,ズボンの布地が全般的に薄く,透けやすい.だから女性が柔道着をつけるときは気をつけなければならないと思う.またズボンの丈が合気道着に比べ短いような気がする.

合気道着は,袖の内径が小さく幾分ほっそりと見える.一方で,肩の部分が広く厚く作られているような気がする.ズボンは膝行という特別な移動法が合氣道にはあるので,膝部分が広く厚く丈夫に作られていることが特徴である.布地も柔道着に比べ柔らかめで,はじめから白くなっている(晒してある?)ものが多いようである.

では,どれを選ぶか?という問題だけれど,
私はやっぱり合気道着を選ぶことをオススメする.なぜならば,一番カッコイイから.形から入ることをモットーとする私としては,道着を着た姿がカッコイイものを選ぶのだ.それが稽古を継続するモチベーションのひとつとなるのである(だれが,かっこわるい道着を着ようなどと思うだろうか?).とにかくカッコと自分の思い込み.これに勝るものは無いということなのだ.

#おまけで袴(はかま)の話.
合氣道では袴をはいて稽古する.これは,足や膝の動きを隠すためだなどといわれるけれど,実際のところは,古流柔術では大体袴をはいて稽古してきたわけなのだから,別に理由はないのだと思う.逆に言うと袴をはかない柔道の方が特殊なのだ.

合氣道では,初段をとったら袴をはくことができる,というところが多い.しかし,これは主に男性の場合で,女性は最初から袴をはくことが許されているところも多い.もともと植芝盛平先生からして,女性には袴の着用を許していた.どうも植芝先生は袴無しで女性が受け身をとっているのが気になって稽古にならなかったから,という話はどこで読んだのだったろう...?

袴の長さは,ちょうどつま先が隠れるぐらいが良いと習った.これが長すぎるとだらしがなく見えるし,稽古にも支障をきたす.また短すぎるとツンツルテンでえらくカッコが悪く見える.やはりピタリとあった長さというものがあるのだ.

袴の紐の結び方もいろいろある.合氣道は剣道とは異なるし,また杖道などとも異なる.杖道では質実剛健を良しとし,華美を嫌うから合氣道の袴の結び方を商人の結び方として嫌っている.どれがいったいホントの結び方なんだか,私もよくわからない.

#道着も道衣と書いたりする.意味が違うのかもしれない.


2 件のコメント:

  1. kawaguchi内2012年5月3日 0:45

    「どうぎ」ではなく、「けいこぎ」ということもあり、英語では単に「gi(ぎ)」と表記されていたり・・・、
    重くて嵩張るので、持ち運び時間が長いときは、安い空手着(特に海外製は薄くて梅雨時は重宝)にします。
    ・・・袴には女性の弓道用や舞踊用はスカートのように分かれていないものもあります。
    同じ馬乗り袴でも、弓道用や剣道用は後ろに帯に引っ掛けるヘラがついているものが普通で、帯紐も細くて華奢で長く、着用の仕方が異なります。
    合気道の袴はなぜか男女とも黒が標準のようですが、剣道では紺や白(女性)も 見かけます。
    ・・・・ということを言いたかったのではなく、1/31のブログのほうにコメントしたかったのでした。http://yushimiura.blogspot.jp/2011/01/rite.html
    エクソシストとの対話 を 夫が図書館から借りてきていて 
    珍しいのを選んでるなぁ、と 検索したら三浦さんにブログが5番目くらいに出てきました。(納得)
    こんなインタビュー記事もありました。
    http://gigazine.net/news/20110408_exorcist/

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  2. kawaguchi内様,コメントどうも有難うございます.お返事が遅れまして,申し訳ございません.さすが,kawaguchi君のご内儀,詳細な袴のご解説ですね.実は私も学生時代一時期袴は紫色でしたよ.ちょっとだけ若く見えます(笑).
    さて,「エクソシストとの対話」いかがでしたでしょうか?とkawaguchi君に尋ねてみてください.私はたいへん面白かったので,あちらこちらでおすすめしているのですが...
    また,インタビュー記事のご紹介,有難うございました.面白い記事でした!彼女の今後の著作にも注目していきたいと思っております.

    最後になりましたが,いつか稽古をご一緒できればと思います.今後ともなにとぞよろしくお願いいたします.

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