2014年4月17日木曜日

「なぞの転校生」について:3.音楽がいい感じ

なぞの転校生」の第3弾.今回は音楽について.

たぶん予算や時間の不足が原因だと思うのだけれど,オープニングやエンディングの曲はともかく(といってもどちらも,いい曲だとは思うけど),劇伴曲は新たに音楽家に依頼したのではなく,たぶん既にある曲(主にクラシック)を使っていた.第11話(だったかな)なんて劇中に音楽がひとつも流れなかったし.

とにかく何度も流れてくるのが,ショパンの雨だれ(前奏曲 作品28の15).ドラマの世界設定において重要なキーにもなっている.この曲は,たいへん美しいのだけれど,使い方によっては「ベタ」になりすぎる.しかし,この番組では適度な「甘さ」を演出していてとても効果的だった.しばらく私の頭のなかで,ヘビロテ状態だったけど.

その他には,バッハのゴルトベルク変奏曲やラベルの亡き王女のためのパヴァーヌなどが使われていて,その選曲が良かった.ゴルトベルクが流れていたのは,確か山沢典夫が麻雀をやってボロ勝ちするところだったと思うけれど,ミスマッチかと思いきや意外に曲がハマっていて笑ってしまった.

オリジナルといえば,「風が吹いている」という歌が唯一かと思うのだけれど,これがまた良かった.「ヘクとパスカル」という,岩井俊二の仲間で構成された3人組が歌っていて,ボーカルがなんと劇中SF研究会の女子部員を演じていた椎名琴音さんなのだという.この人,いろいろな才能がありそうだ.ただ,この「風が吹いている」という歌も,どこかの結婚式場の依頼で別に作ったものの使い回しらしい.でも,すごくこのドラマにあっていた.

大げさな劇伴曲はなく,基本的にメローな音楽が終始ドラマのバックに流れていて,それがたいへん気持ちのよいドラマだった.音楽がドラマの演出に果たす役割って,すごく大きいということをあらためて認識した次第.

#オープニング主題歌は,香川みどり役の桜井美南さんが歌っているとのこと.エンディングの清水翔太さんの歌も,エンディングの映像とあわせてたいへん印象的.

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