長岡の街中を歩くと,
常在戦場
と書かれたノボリをよく見かける.どうしてこんな生々しい言葉が街中で,と思っていたのだけれど,実は長岡藩牧野家の家訓であったらしく,長岡ではよく知られた言葉であると知った.
武道や格闘技でも「常在戦場」などとよく言われるのだけれど,その言葉に感化されたのかスキを見せないよう常にギラギラしている人などがいたりして,私はこの言葉にはあまり良い印象がなかった.そうした人たちは,いつも人を信用せず,気を抜かないで緊張しているから周囲の人にその緊張が移ってしまって,その人の近くではリラックスできなくなってしまうのである.
しかし,本当の意味はそんな小さな意味ではないことは多くの人が知っている.常に戦場にいるような心もちで,全身全霊でことに当たるということが,本来の意味であると私は思っている.苦境にあっても生き抜く智慧こそが,この言葉に示されていることなのだ.いつなんどき襲われても身を守れるような気持ち,体勢でいる,という小さな心がけ(でも,私にはそんなことできないけど)などと勘違いしてはいけないのだ.
長岡出身の偉人は,こうした気概をもってことにあったのだろうと思う.河井継之助,小林虎三郎,そして山本五十六.そうした長岡の先人たちは,こうした長岡藩の気風によって育まれたのではなかったのかと思うのである.
長岡の郷土資料館にある山本五十六による「常在戦場」の書 |
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