2019年11月20日水曜日

新しく研究室に配属された学生にする3つの話

本日,3年生が新しく研究室に配属された.私の研究室には5名の男子学生が配属されることになった.今日少しだけ顔合わせをしたのだけれど,まだなんとなく緊張している感じがして,ぎこちない.これから研究室に慣れてもらうことにしよう.

さて大阪大学にいた頃から毎年,研究室に入ってきた人にする話は決まっている.

ひとつは「研究室における存在確率を高めよう」というお話で,もうひとつは「助けてもらう力を養おう」というお話である.どちらも研究者としての能力に関わる大事なことだと思っている.

そしてもうひとつが「ガルシアへの手紙」の話.研究室での研究はこれまでの勉強とは異なり,皆が同じ問題を解くわけではないし,正解もない.それに関する講義も特別に開かれないし,教科書も参考にしかならない.すべては自分で格闘しながら進めていくしかないのである.

答えがないかもしれない問題に取り組んでいくのはつらい.それを乗り越えるためには自分が行っている研究を好きになるしかないとある先生はおっしゃっていた.私もそうなのかもしれないと思っている.だからこの研究室は,つらいけれど研究するのが好きな学生を育んでいきたいと思う.

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