私は時代劇ファンだと公言しているけれど,世間は一向に変わらず時代劇に冷たい。と,思っていたのだけれど,最近それが変わるかもしれないという淡い期待を抱いている。
まずは「鬼滅の刃」。時代は大正時代(?)だけれども,登場人物たちは刀を持って戦う。それぞれ「型」を持っていて,呼吸を整えて技を遣う。そんな「型」を練習するなんていかにも剣術的でうれしい。子供たちの遊びにチャンバラが復活してくれないかなと期待している。
※鬼を刀で切る話,と聞いて最初,楠桂の「鬼切丸」かと思ったけれど,やっぱり違った。火を使って鬼と戦うと聞いて,奥瀬サキの「火閻魔人」と思ったけれどやっぱり違った。
しばらく前からだと,「刀剣乱舞」。以前も京都の名刹に行ってゲームかアニメのキャラクターが飾ってあってがっかりしたのだけれど(大覚寺,膝丸。),今も変わらずあちらこちらの刀剣展が女子であふれかえって好況なのをみると,それはそれでいいのかなとも思い始めた。誰にも見向きをされないよりずっといい。
最近のNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」もいい感じだ。チャンバラではないけれど,戦国時代の人間模様を,それも若者たちの戦国時代を描いている。光秀も信長も,そして家康もこれまでの大河ドラマとは違う若者として描かれている。そこが新鮮で魅力的だと思う。
おなじNHKだと中井貴一主演の雲霧仁左衛門シリーズ。言わずとしれた池波正太郎の名作である。地上波でようやくシリーズ4作目が放映されると聞いて楽しみで仕方がない。こうした良作が増えていくと,時代劇人気の復活も近いことだろう。
今年は「るろうに剣心」も新作が待っているというし,これはまた女子が浮き立つことは間違いない。イケメンしか剣客にならないというのは困るけれど,いつかまた時代劇ブームがくるかもしれない。
時代劇はSFと同じで,そうした設定のもとでしか描けない人間模様を描くファンタジーなのである。SFと変わらないから,私はどちらも好きなのである。制約がある状況を想定するからこそ面白い。
そうした面白い時代劇がまたたくさん生まれて,そして時代劇スターもたくさん生まれる。そんな時代がまた来ないかと楽しみにしている。
#司馬遼太郎の「峠」,「燃えよ剣」の映画も今年公開だ!
2020年6月1日月曜日
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