2020年6月18日木曜日

ジーン・シモンズ ~誇り高き悪魔~ の名言に涙する (1)

NHKの「ストーリーズ」という番組で,KISSのジーン・シモンズの最後の世界ツアーのドキュメンタリーをやっていた。「誇り高き悪魔」との副題だったのだけれど,ジーン・シモンズももう70歳なのだという。まぁ,私が子供のころからあの悪魔の格好で世界を席巻していたのだから,そんなトシなのも仕方ないのかもしれない。しかし,画面から伝わる彼のオーラは本当に凄みがあった。70歳だろうがロックはロックなのである。生き方に重みがある。

彼はユダヤ系で,母親はナチのホロコーストの生き残りだったのだという。渡米してから苦しい生活の中からロックに目覚めたことをこの番組で初めて知った。そして,ユダヤ風の本名からアメリカ風のジーン・シモンズと名前を変え,ロックバンドを始め,やがて世界的なバンドとなった。

彼はビジネスマンとしても有名だけれど(KISSのプロモーションからグッズ販売までなんでもこなす),とにかくロックンローラーだけではない彼が吐く一言一言がカッコよかった(番組編集が良かったからなのかもしれないけれど)。

心に残った言葉をいくつか紹介

1)「KISSはユニークだ
誰にでも好かれるバンドじゃないかもしれないが
我々のようなバンドは他にない」

2)「お金は良いものだ Money is good.
唯一助けになるものだ
お金がなきゃ何もできない
家族も養えない
飢えている人に優しい言葉をかけるだけでは死ぬ
俺がクソ野郎で「消えろ」と罵声を浴びせても
金さえ渡せばそいつは生き残れる
生きる糧は金さ
いつでも金がもっとほしい 俺は正直だ
金はもう十分と言う奴らは嘘つきだ」

3) LAやNYにKISSのように愛されるレストランを展開していくにはどうしたらよいかという日本のレストランのオーナーの質問に対して,
「英語を学びなさい それだけ  Learn English.  That's it.
英語は大金をつかむ秘密 English is the secret of all the big money.」

4) レストランのオーナーの渡した名刺が表側しか印刷されていなかった(裏はなにも印刷されていなかった)のを見て,名刺をひっくり返して机の上に置いて一言。
「質問だ。
50%の確率で裏側が上に来るのに
なぜ何も書いていない?
裏に何も書いていないと誰も気づかないぞ」
(この言葉のあと,ペンとメモを持ってこさせて,ジーン・シモンズはその場でレストランのロゴをデザインする。そして,「商標登録しろ。明日必ずだ!君たちが明日しなければ私がするぞ!」と言ったのだ)

彼の名言は続く。

とりあえず,私の名刺は表の面しか印刷されていない。裏面のデザインを考えよう。

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