2021年6月22日火曜日

さんかく窓の外側は夜

 本当にひさしぶりに映画を観た。やっぱりエンターテインメントはいいなぁ。心が潤うような気がする。

観たのは,

「さんかく窓の外側は夜」

キャストは,志尊淳,岡田将生,平手友梨奈,滝藤賢一という私好みのラインナップ。そして映画はホラーというのだからたまらない。

正直もう少し怖いストーリーを期待していたのだけれど,ライトなオカルトホラーな映画だった。原作を読んでいないのでよくわからないのだけれど,確かにBLの要素もある。イケメンのバディものなので,女性に人気が出そうなのもよくわかる。

私としては,平手友梨奈が素晴らしいと思った。彼女は呪いを扱うダークな存在なのだけれど,どこか純粋な部分も感じさせる不思議な女の子を演じていた。画面に出てくるだけで,雰囲気をつくることができる稀有な存在なのだとあらためて思った。今後も楽しみ。

ストーリー的には,ホラーミステリーなのだけれど,ミステリー要素がもう少しあってもよかったかなと思う。あるいはもっと悲劇的な要素があってもよかったかも。

この作品の世界観としては,「穢れ」(負のパワー)を用いて「呪い」をかける,というルールになっている。こうしたルールが私は好きだ。

映画の中では,言霊についても言及される。それは呪いでもある。しかし,言祝ぎでもある。人の潜在意識は善悪の区別なく言葉に影響されてしまう。言葉をどう使うかは,そしてどう受け止めるかはその人次第,その仕組みがわかった人がこの世界を理解できる。人は言葉をつかうようになって,抽象的な概念によっても心身に影響を受ける(臨場感をもつ)ようになった。すなわち,言葉によって,人の内部の情報空間に影響をあたえることができるようになった。それは顕在意識に対しても潜在意識に対しても,そして作為的にも無作為的にも可能であり,なにげなく放たれた言葉であっても,自分を含む周囲の人間の思考と行動に影響を与え続けている。

人類が言葉を使い始めたと同時に,呪い(まじない,のろい)と言祝ぎ(ことほぎ)が誕生した。この世の中は言葉でできている。こんな世の中がたいへん面白い。


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