長岡に来て土地柄もあって日本酒をよく口にするようになった。新潟の新鮮な海鮮や野菜,煮物から漬物まで,日本酒はいろいろな料理によく合う。最近ではおいしそうな料理をみると,日本酒と一緒にいただいたらどんなにおいしいだろうとゴクリと喉が鳴るようになっている。
もちろん,日本酒に合う料理,合わない料理というものがあるけれど,今回は意外な組み合わせをご紹介したい。それは,
大福と日本酒
である。私がまだ大学院生だった頃の話。武道の合宿に出かけた際,夜は当然のことのように畳の和室に車座になって宴会が始まった。誰かが日本酒の一升瓶を抱えてきて,乾きものをつまみに私もチビチビ飲んでいた。昼間の稽古は厳しく,身体はもうクタクタだったのを覚えている。
そこで誰かが「大福」が実は日本酒にあう,という話をし始めた。誰だったかは覚えていないのだけれど,「間違いない」という風に自信たっぷりに言われたので(あいまいな記憶だけれど),たっぷりと餡が入った大福を片手に,コップ酒とあいなった。
左手でほおばると疲れ切った身体に甘い甘い大福は本当に美味しく感じられた。そして右手でコップでぐいと酒であんこを流し込む。これが思いもかけないほどうまかった。「和」と「和」なのでもともと相性は良いのだろうけれど,身体がどんどん次を欲する感じがするほど美味しかった。ジャイアント馬場の大好物が大福だったという話を思い出す。疲れた身体には甘味と酒なのだ(馬場は下戸だったと記憶しているけど)。
ただこの食べ合わせには重大な問題がある。それは美味しくてついつい飲みすぎることである。案の定,私は翌日ひどい二日酔いになった。甘い大福で胃が持たれているのでそうとうたちが悪い二日酔いだった。貧血気味で立てなかったくらいである。しかしそこは武道の合宿。なんとか午前中の稽古を何度も吐きそうになりながら,横になりたいのを我慢して続けていたことは,今はよい思い出である。
疲れた身体に大福と日本酒。スキーに行った晩などにぜひ試してほしい。たぶん私が言ったことは正しかったと納得してもらえるだろう。ただしくれぐれも飲みすぎには注意してほしいけれど。
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