2025年9月27日土曜日

那覇の街で御嶽をめぐる

 電気学会電力・エネルギー部門大会に参加するため,一週間近く沖縄那覇に出張してきた。素晴らしい天気に恵まれ,実り多い学会だったけれど,出張最終日の移動日である土曜日の午前,フライトの時間まで那覇の街を散歩した。それは,那覇の街に点在する御嶽をめぐるためである。

沖縄はオカルティックな場所として,たいへんに魅力的である。あちらこちらの島にいまだ多くの神事の儀式が残っているし,数は少なくなったとはいえノロ,ユタといった特別な能力をもっているといわれる人たちも日常生活の中に生き残っている。本州にも聖地や霊能者がもちろん存在するわけだけれど,そうしたオカルト的な人やモノの濃度が沖縄はずっと高いような気がする。そういった意味で私にとって沖縄はたいへんに魅力的な場所なのである。

さて,御嶽(うたき)である。これは琉球の宗教において儀式を行う場所である。こうした琉球王朝によって認められた祭事所が沖縄のあちこちにあり,それらはいまも地元の方々によって維持されているのだ。今回は訪れることができなかったが,重要で有名な御嶽などは山や岩などが聖域のシンボルとなっているけれど(観光地にもなっている),街中にも祠が置かれて御嶽と呼ばれている。

Google Mapによれば泊っていたホテルの近くにも3つ,4つあるということなので,どんなものなのか散歩がてらに見に出かけたのである。

一つ目の御嶽。街中の小さな公園の隅にその祠はあった。祠の中にはなにかで使用された石?のようなものがあって,廃墟ではないことがわかる。しかし,なにも文字などは書かれていない。これがほんとに御嶽なのかとずっと疑問に思って周りをうろうろしていた。

小さな公園の片隅の祠

二つ目は,立体駐車場の1階奥に見つけた。駐車されたバイク列の向こうの草むらにその祠はあった。本州だったらとっくに移動されているだろうけれど,ここでは大事にされてそのままに保存されているようである。しかし,いったいどんな神事がここで行われるというのだろう?

立体駐車場の奥にあった祠

これらの御嶽は,本州でいうところの各集落の神社みたいな役割なのかもしれないが,御嶽の方がより私たちの生活に近いようだ。御嶽の祠はあまりに自然に街に溶け込んでいて,見つけたときに,おっ,と驚かされる。実はもうひとつの御嶽も探していたのだけれど,とうとう見つけることができなかった。たぶん工事中の2階建て駐車場の工事中の囲いの中にあったのだろう。

今回はほんの1時間程度しか御嶽巡りができなかった。しかし,がぜんと興味が湧いてきた。もっともっと御嶽をめぐってみたい。そしてどのような神事がおこなわれるのか,この目で見てみたい。私の中で沖縄の魅力はますます増している。

#おまけ。沖縄では路地などにこうした「石敢當」と書かれた塀,石などをよく見かける。これも魔除けである。



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